2次元コードとは

2次元コード(にじげんコード)とは、横方向にしか情報を持たない1次元コード(バーコード)に対し、水平方向と垂直方向に情報を持つ表示方式のコードのことです。バーコード(1次元コード)と比べると面積あたりの情報密度が高く、コード化するデータが同一であれば印字、表示面積は小さくなります。また、読み取りエラーの訂正により安定した読み取りが可能となっています。

1.2次元コートの種類

2次元コードは主に次の種類があります。
1-1 QRコード
情報量の大きさや誤り修正機能を持っている2次元コードの特徴に加えて、2次元コードの弱点の読み取りの性能面が優れています。また日本で開発された2次元コードですので、漢字、カナ、ひらがなの情報を効率よく情報を格納しています。
対応しているキャラクター:数字、アルファベット、漢字、カナ、ひらがな、記号、バイナリ、制御コードなど。
(*)QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

    東阪電子機器株式会社

1-2 マイクロQRコード
オリジナルのQRコードよりもデータ効率が高い二次元コードです。またQRコードには切り出しシンボルが3つあるのに対して、マイクロQRコードは1つしかありません。QRコードと比べると少ない情報しか入りませんが、極小スペースにも印字できます。
対応しているキャラクター:数字、アルファベット、漢字、カナ、ひらがな、記号、バイナリ、制御コードなど。

1-3 DataMatrix
情報密度が非常に高く、誤り修正率も高いことからアメリカでは部品のマーキングに使用されています。DataMatrixにはいくつかの異なったバージョンが存在しており、現在幅広く使用されていますECC200では歪を補正機能が追加されており比較的新しいバージョンとなっています。
対応しているキャラクター:数字、アルファベット、記号、バイナリ、制御コードなど。


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1-4 MaxiCode
貨物の仕分けや追跡のために、アメリカの宅配業者によって開発されたコードとなります。 収納できるデータの容量は少ないですが、高速な読み取りが可能となっており、物流分野において高い評価をえています。
対応しているキャラクター:数字、アルファベット、記号、バイナリ。


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1-5 PDF417
主にアメリカ合衆国で身分証明書をはじめ様々な用途で使用されています。スタック式2次元コード規格です。
PDF417という名称は、
①ポータブルデータベースファイル(Portable Data File)の頭文字」
②基本単位(コードワード)が、4つのバー及び4つのスペースの17モジュールで構成されている
ことに由来しています。 対応しているキャラクター:数字、アルファベット、記号、バイナリ、制御コードなど。



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1-6 マイクロPDF417
PDF417を小型化したもので、小さなスペースに印字が可能な仕様ですとなっています。 JANコードがマーキングできない製品・有効期限・ロット番号などをコード化することが必要な場合に用いられています。
対応しているキャラクター:数字、アルファベット、記号、バイナリ、制御コードなど。

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2.2次元コードの特徴と欠点

2-1 2次元コードの特徴
①バーコードに比べて情報量が多い(情報密度が高い):
バーコードに比べて10分の1~100分の1の高密度化となっており、バーコードでは難しかった小スペースでのマーキングが可能となっています。

②豊富な情報量:
最大の情報量はバーコードの10~100倍でしかもカナや漢字など日本語が利用できます。2次元コードの中には、1kByt以上の情報量を格納できるものもあります。バーコートは識別用コードとして用いられているのに対して、2次元コードは大容量のデータ収納用媒体としての使用が可能となっています。
③誤り修正(補正)機能:
汚れや傷などの障害に強い。
コードが汚れたり一部が破損しても、読み込んだデータをオリジナルデータに復元する機能を持っているために読み取りミスが減少します。(復元できるレベルが超えている場合は復元が不可能となります。) 誤り訂正機能により復元できる程度は段階的に設定することが可能で、その段階を誤り訂正レベルと呼びます。誤り訂正レベルはエンコード時に設定可能で、誤り訂正レベルを最大にすることによりコードの2分の1以上の破損でも復元が可能なものもあります。

・誤り補正の例


これは 先の「1-1 QRコード」で使用しましたごく普通に作成したQRコードの一部を隠したものですが、この状態でも「東阪電子機器株式会社」と読み込みができます。

④読み取り方向・角度対応が柔軟:

二次元コード対応のCCDスキャナで、360度全方向からの読み取りが可能です。 対象物の向きに制約がなくなるため、作業の効率化が図れます。

2-2 2次元コードの欠点

①書き換えができない:
バーコードと同様ですが、2次元コードも読み出し専用ですので、データの書き換えや消込を行う事ができません。
②すべての情報の表記・表示するのか困難
大容量の情報の場合、スキャナの画面上にすべての情報を表示することは難しいことがあります。またバーコードの様に情報をルビ表示することができません。

3.QRコード(2次元コード)の安全性について

 QRコードは2次元コードのなかの一種類です。しかし一般的によく見かけるのはQRコードではないでしょうか。QRコードは商品の管理や製造工程の追跡などの目的で開発されましたが、その後スマートフォンが普及し情報のやり取りや広告の方法としても活用されるようになり一層普及しました。

QRコードは、スマートホォンなどで容易に使用でき便利です。限られた環境(外部ネットワークに接続していない環境)での使用の場合の危険性は非常に少ないかとおもいますが、容易に利用出来る分危険性もあります。
例えば悪意をもったひとが作成したQRコードを読み取ることで次の様な被害が発生する可能性があります。

3-1 偽装QRコードによるフィッシングや不正送金

QRコードにはURL・メールアドレスなどの情報を埋め込むことができますがその内容を肉眼では確認することはできません。悪意を持った人がQRコードにフィッシングサイトや不正な決済サービスに誘導することが可能です。
例えば、商品やポスターに記載されたQRコードを偽物にすり替えたり、メールやSNSでQRコードを送る手口があります。

3-2 不正なプログラムやマルウエアのダウンロード
QRコードは、ゲームやアプリなどのソフトをダウンロード時のショートカットを埋め込む事によって悪意を持ったひとから悪用される可能性があります。
例としましては、まずは無料で配布とか・有名アプリやゲームを名乗った偽物のQRコードで導くなどの手口があります。

3-3 暗号資産等の詐欺・盗難

近年では暗号資産(仮想通貨など)関連のサービスなどにもQRコードを利用されています。これらも悪意を持ったひとのターゲットとなっています。


暗号資産のアクセス用アドレスのQRコードを改ざんして、悪意を持った人の口座に資産を移動させたりなど偽の暗号資産情報を入手させたりする手口があります。

3-4 QRコードで被害に遭わない為には

①QRコードの出どころの確認

QRコードを読み取る前にそのQRコードの出所が確かなのか(信頼できるのか)の確認。

②QRコードの内容の確認

QRコードを読み取った後に、その内容が正しいか・おかしくないかの確認。

アプリのダウンロードや決済の画面に変わる場合は、その内容(アプリや金額)が正しいのか確認を行う。


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