USBとは(英語表記:Universal Serial Bus)ユニバーサルシリアルバスの略でコンピュータ(PC)と周辺機器との接続に用いられるデータ伝送の標準規格のひとつです。
1.USBとは
1-1 USBとは
USB接続は、多くの情報機器と接続しデータ転送に使用しています。
代表的な例としまして、
・パソコン
・入力装置:キーボード・マウス・ゲーム用パッド
・外部ストレージ:外付けハードディスク・DVDドライブ
・出力機器:プリンター
・音響(オーディオ)関連機器:パソコン用スピーカ・ヘッドホン・イヤホン
・フラッシュメモリ:USBメモリ・メモリカードリーダ
・スマートフォン
・デジタルカメラ・デジタルビデオカメラ
等があります。
最近ではパソコンにUSB端子が複数装備され(少なくとも2つ、多い場合だと5個以上)USB端子をさらに増やしたい(増設用)に「USBハブ」があります、このようにパソコンなどを使う上では重要な規格となっています。
1-2 ホットプラグ機能
USBはこのように色々な情報機器と接続できる特徴をもっていますが、さらにホットプラグ機能という機能があります。
ホットプラグ機能とは電源を入れたままの状態のパソコン等の機器に直接接続(挿入)することが可能な機能のことです。ごく普通に起動いている(電源がはいっている)パソコンに抜き差しして使用していますが、通常のパソコン周辺機器の接続は一旦電源をOFFにしてから必要な機器を接続した後に電源をONする必要がありました。 これはUSBデバイスを接続することで自動的にパソコンがUSBデバイスを認識して、デバイスシステムに組み込みに必要な設定などを自動的に行っているからです。
2.USB2.0とUSB3.0の違い
2-1 速度(データ転送)の違い
USB2.0とUSB3.0の違いはデータ転送速度と電力供給能力の違いです。
①USB2.0:
2000年に登場した規格で当時主流であった全身のUSB1.1の高速通信対応の規格としてできた規格です。
②USB3.0:
2008年に登場した規格でUSB2.0の約10倍の速度で通信ができ供給できる電力がUSB2.0の500mA(5V)がUSB3.0では900mA(5V)の規格となっています。
2-2 規格の違いについて【USB2.0】
USB2.0が登場したのは2000年頃で光学ドライブといわれる大容量(当時としては)の記憶メディアが登場してきた時代でこのメディアはCD―R・CD-RWと呼ばれていたものです。容量は700MB程度で音楽の曲がおおよそ12-15曲(当時のLPレコード一枚)程収録されました。HDD(ハードディスク)の単価も安くなったことで大容量の記憶メディアが普及しだしたころです。
このような大容量のメディアをパソコンの記憶装置として使用すると、大容量のメディアですのでそれに書き込まれるデータ量大きくなります。
例えば大きな荷物を運ぶ時は、手で持っていくよりも車を使って運んだ方が早くて便利です。 それと同じ考えで大容量メディアにデータを高速に書き込むためのケーブルが必要となりました。
そのケーブルの規格として発明されたのがUSBで、「USB2.0」は文書やドキュメントといったデータ容量の小さいものだけではなく、このような大きなデータの通信を可能にするため開発されました。このような時代背景が「USB2.0」登場のきっかけになりました。
この「USB2.0」のケーブルを使って、ハードディスク(HDD)やCDドライブを外付けして使用するのが一般的でもありました。このような大容量化のデータのやり取り時のニーズを満たすものとして登場してきました。
2-3 規格の違いについて【USB3.0】
USB3.0とUSB2.0で一番の違いは転送速度にあります。USB2.0と比べて約10倍の速さです。これほどの速度の違うものが誕生した背景には技術の発達がありますが、そもそもはそのような需要が出てきたからせです。
USB2.0の頃では音楽データや写真データでしたが、2000年後半には動画がメインになってきたことも大きな要因です。動画のデータ容量は写真や音楽と比べ物にならない大きさとなります。動画は写真が(毎秒当たり)何枚もパラパラ漫画のように組み込まれ、さらに音声も入っています。
そのために膨大な量の写真と音楽を合わせたものが動画のデータ容量となります。 これほど大きなデータをやり取りするには「USB2.0」では足りません。そこで「USB3.0」が登場しました。「USB3.0」はDVDなどのとても大きな容量のデータを通信することに向いています。
もう一点「USB2.0」と異なる点があります。USBバスパワーといわれているものです。これはその機器で使用する電力をUSBポートから供給するものです。USB2.0でもありましたが、その電力容量は約2倍にアップしました。これによって消費電力の大きなデバイスでも「USB3.0」のポートに接続すれば動作が可能となりました。これによって消費電力の大きなデバイスも「USB3.0」のポートにつなげば動作が可能となります。パソコン(コンピュータ)に接続して使う道具として使用できるものが増えたことになります。ポータブルブルーレイドライブなども動作できるようになっています。但し注意が必要です、「USB3.0」に対応している端末(パソコン)が必要となります。
2-4 USB2.0とUSB3.0端子の見分け方
USB機器の端子の色(絶縁物部分の樹脂の色)でUSB2.0とUSB3.0の見分ける事ができるようになっています。
・USB2.0は黒色または白色となっています。
一方
・USB3.0は青色となっています。
これはUSB-IF(USB Implementers Forum)という業界団体が推奨しているためですので、ほとんどのUSB機器がこの規格に準拠しています。ただしこれはあくまでも「推奨」ですので、パソコンメーカによってはデザインを重視しこの通りではない場合もありますので、ご使用になられるパソコンの仕様を確認することをお勧めいたします。
3.USB3.0のその後について
3.1 USB3.1 Gen1:
2013年8月発表されました。USB3.0の名称がUSB3.1Gen1と名称のみの変更です。
(*)Gen
Generation(ジェネレーション)」の略です。
3-2 USB3.1 Gen2:
2013年8月発表されました。データ転送速度は最大で10Gbpsで
USB3.1Gen1と比較して2倍となります。
動画や高容量ファイルの転送時に重宝されています。
3-3 USB3.2 Gen2
USB3.2 Gen2
このUSB3.2xxxは名称変更のみの変更ですので割愛致します。
3-4 USB3.2Gen2x2:
2017年7月発表されました。
データ転送速度は最大で20Gbpsで、USB3.2Gen2の約2倍です。
ただし最大20Gbpsになるには条件があって、USB3.2Gen2x2の実力を発揮するには、従来のUSBコネクターの形状(TypeA)では対応できないとの事です。この方式は2レーンの高速チャンネルを使用することで転送速度最大20Gbpsを実現しています。従来の形状のTypeAではなく「USB Type-C」となります。
(*)USB規格の一覧(最大データ転送速度)
規格名 :最大データ転送速度
USB 1.0 :12Mbps
USB 1.1 :12Mbps
USB 2.0 :480Mbps
USB 3.2 Gen 1 :5Gbps
USB 3.2 Gen 2 :10Gbps
USB 3.2 Gen 2×2 :20Gbps