コントローラ(操作装置)とは

操作装置としてのコントローラはユーザが機械やシステムを操作するために使用するインターフェースやデバイスの事を言います。これは電気的・機械的・またはコンピュータベースのシステムに対して動作の指示を入力するための手段となります。操作装置としてのコントローラは色々な形態をもっており産業用・家庭用・ゲーム用・又は交通システムなど多くの分野で使用されています。

1.コントローラ(操作装置)の主な種類

1-1 手動操作装置

 「手動操作装置」はユーザが物理的に実施に操作して機械やシステムに指示を送るためのデバイスで、もっとも基本的な形状のコントローラとなります。このタイプの装置は、産業機械・家庭用電気製品・車両の操作システムなど幅広い分野で使用されています。

①レバー(ジョイスティックも含む):

 レバーは機械やシステムに対して方向性に対して位置の指示を与えるために使用されます。ジョイスティックのようなデバイスは、航空機・建設機器・ゲームコントローラなどで使用されています。上下左右にレバーなどを動かすことで操作を行うものです。

②スイッチ:

 スイッチはオン・オフの切り替えを行う事を目的に使用されるシンプルな手動操作装置です。トグルスイッチ・プッシュスイッチ・ロータリスイッチなど色々なタイプがあります。

 家庭用の照明機器のオン・オフ、産業機械の起動・停止、車のヘッドライトのオン・オフなどの操作に用いられています。

③ボタン:

 ボタンは一時的な操作を行うためのデバイスで押すことで機械(装置)に信号を送り離すと元の状態に戻ります。エレベータの呼び出しボタンや行先(階数)指定ボタンなどです。

また押した状態を保持するタイプのボタンもあります。緊急停止ボタンの様に異常事態などボタンを復旧状態にするには再度ボタンを押すまたはボタンを回す等の何らかのアクションが必要なタイプがあります。

④ダイヤル(ノブ)

 ダイヤルやノブは回転させることで操作する装置です、音量や温度その他のパラメータを段階的に調整する時に用いられます。

⑤ペダル

 ペダルは足で踏むことで操作を行う装置です、自動車のブレーキやアクセルペダル・産業機械ではフットペダルなどがあります。

1-2 タッチスクリーンコントローラ

「タッチスクリーンコントローラ」は画面に直接触れることでシステムやデバイスを操作するものです。スマートフォン・タブレット・POSシステム・産業機器など幅広い用途で使用されています。従来のボタンやレバーに代わり多機能なインターフェースを提供できることが特徴となります。

タッチスクリーンコントローラはディスプレイの上に配置されたセンサーによって画面上のタッチやジェスチャーを検出しています。

①抵抗膜方式

 複数の層からなるフィルムの間に抵抗膜が配置されており、指や専用ペンで圧力を加えることで層が接触状態になりタッチされた位置を検出する方式です。

 スタイラスペンや手袋越しでの操作が可能で産業用や銀行のATMなどで使用されています。

②静電容量方式

 画面上に電圧を印加した層を持ち、指で触れることで人体の静電容量を検出してタッチした位置を検出判断します。

 高感度でマルチタッチ対応が可能となり、スマートフォンやタブレットなどに広く使用されています。

 ただし専用のスタイラスや手袋が必要となり操作しづらい場合があります。

③赤外線方式

 画面の端に配置された赤外線発光装置と受光装置によってタッチされた位置を検出します。

 タッチする部分にセンサーに相当するものが無い為に画面表面の状態の影響を受けにくい方式です。

 外部からの光などによる誤動作することがあります。

④表面音波方式

 画面の表面に音波を走らせタッチによる干渉を検出する方式です。  精度が高く、ペンや指の区別が可能です。主に高精度を求められる業務用に用いられています。但し汚れや水滴によって誤動作することがあります。

1-3 リモートコントローラ

①リモートコントローラの構造と原理

 リモートコントローラは主に「送信側」と「受信側」のふたつから成り立っています。

・送信側:

 ユーザや操作する側で、リモコンのボタンやレバーを押すことで信号を送信します。この時の信号は赤外線や無線などの通信手段を使用して送られます。

・受信側:

 操作される側のデバイスやシステムに実装されている受信機になります。送信側より送られてきた信号を受け取りその信号に応じてデバイスを操作します。

②リモートコントローラの通信技術

・赤外線通信:

 赤外線を使用して信号を送る方式でテレビやエアコンのリモコンなどで広く使用されています。赤外線は光の一種なので送信側と受信が視線を通して直接見える状態(視線通過型)で動作します。

 消費電力が少なく安価に製造することが可能です。

 視線がさえぎられると通信(信号)が届かない欠点があります。

・無線通信

 無線周波数を使用して信号を送る方式です。Wi-Fi・ZigBee・RFIDなどが代表的です。赤外線の様に視線通過を必要としません、壁や障害物を超えて通信できることも特徴です。

 視線が遮られても信号が届く為操作の自由度が高く長距離通信も可能です。

 消費電力が赤外線に方式に比べて多くなる欠点があります。

・Bluetooth

 近距離無線通信技術の一つです、主にモバイルデバイスやオーディオ機器・ゲーム機のコントローラなどで使用されています。

 ある程度の障害物には強く、ペアリング後は安定した通信が可能となりデバイス間通信も双方で行えます。

 通信距離が比較的短い欠点があります(おおよそ10~30m)。

2.コントローラ(操作装置)の要素

 コントローラ(操作装置)は操作の正確さ・ユーザの利便性・安全性・耐久性などデバイスやシステムの操作を効果的かつ効率的に行うために欠かせない要素となります。これらの要素は操作性の設計や運用において重要な役目を果たします。コントローラ(操作装置)における重要な要素について説明させていただきます。

2-1 正確性

 コントローラ(操作装置)の最も重要な要素の一つはオペレータ(ユーザ)が行う操作を正確に反映することにあります。特に産業用や医療機器では誤操作は重大結果を招く可能性があるために正確な制御が必須となります。

①センサーの精度:

 操作性が物理的な動作を正確に検出しその結果をシステムに伝えることが重要な事です。

②レスポンスの迅速性:

 ユーザの操作に対してリアルタイムで適切に反応することが要求されます。

2-2 使いやすさ(ユーザエクスペリエンス)

 コントローラ(操作装置)が直感的に使えることはユーザの利便性を高めます。操作装置が複雑すぎると誤操作が増えユーザのストレスが高まります。主な使いやすさは次の要素に依存します。

①直感的なデザイン:

 ボタンやレバー・タッチパネルの配置が論理的でかつ自然な流れで操作できること。

②フィードバック:

 操作時に音や光・振動などでユーザにフィードバックを行う事で操作が成功(認識している)したかを即座(直感的)に確認できるようにします。

③インターフェースのシンプルさ:

 必要な機能にアクセスしやすいように、無駄のない設計がもとめられます。例えば複数の階層に分かれたメニューは操作を複雑にしないような設計(整理された)が求められます。

2-3 安全性

 特に産業用や医療機器など人命に関わる操作装置では、安全性が最優先される事項です。安全な操作に必要な要素は次の内容になります。

①誤操作防止機能:

 誤った操作を防ぐためのロック機構や確認プロセスが組み込まれることが多いです。重要な操作には2段階の確認が必要なシステムなど。

②エルゴミクス(人間工学):

 操作が快適かつ安全に行えるよう操作装置の形状や配置が人間の自然な動作に基づいて設計されることが大事な事です。これは操作疲労の軽減や誤操作の防止につながります。

③安全な通信技術:

 リモートコントロールなどでは通信が第三者に妨害・傍受されないように、暗号化された通信プロトコルが使われることが重要な事です。

2-4 耐久性

 コントローラ(操作装置)は長期間にわたって頻繁に使用されることが想定されますので耐久性も重要です。 特に産業用や医療用の装置では厳しい環境下での使用が求められることが多いために次の点を考慮します。

①物理的耐久性

 衝撃や振動・摩耗に耐える素材や設計が求められます。ボタンやレバーが頻繁に使用されても壊れない様にすることが重要です。

②耐環境性

 操作装置が高温・低温・湿度・ほこり・振動などの過酷な環境条件に耐えることが必要となります。

3.コスト効果

 コントコーラ(操作装置)のコストも重要な要素です。 特に大量生産される家庭用製品や商業用システムにおきては製造コストを抑えかつ高性能を維持する事が求められます。コスト効果を考慮するには次の要素があります。

①製造コスト

 使用する素材や技術コストを考慮しながら、耐久性と性能を維持します。

②運用コスト

 長期的な使用においてバッテリー交換やメンテナンスが頻繁に必要であれば運用コストが増加します。低消費電力設計やメンテナンスフリー設計が望まれます。

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