Raspberry Piの拡張性について

Raspberry Piの拡張機能を用いて取り付ける拡張用基板で 
HAT(Hardware Attached on Top)というものがあります。 

1.HAT(Hardware Attached on Top)とは 

 Raspberry Pi注1の機能拡張を用いて取り付ける拡張用基板の事で Hardware Attached on Top の頭文字を取ったものです。 

HAT1 は仕様が公開されていて、仕様に準拠した「LCD表示基板」「LED表示基板」「温度センサー基板」「入出機能を有した基板」「ホビーユースからFAユース」など数多くの製品があります。 

弊社でもRaspberry Piの拡張基板やHAT製品の設計・開発・販売も行っており各種の制御に使用頂けます。 

注1)Raspberry Pi財団が定めた仕様を準拠する必要があります。 
  この仕様は強制ではありませんが、準拠していない製品はHATと名前をつけることができません。 

<例えば> 
・基板サイズ(大凡Raspberry Piと同一サイズ) 
・ベンダーID用のEEPROMを備えている 
・フルサイズの40ピン GPID コネクターを備えている 
・HAT基板はRaspberry Piから8mm離すこと 
・GIPDコネクターを介してRaspberry Piにパワーを供給する場合は少なく 

とも最低1.3Aを供給出来ること(2Aの供給が推奨されています)。 等があります。 

Raspberry Pi は、Raspberry Pi財団の商標です。 
Raspberry Pi is a trademark of the Raspberry Pi Foundation. 

2. Raspberry Piの拡張機能について 

赤い丸の部分が拡張用I/Fのコネクターです。 
HAT基板はこのコネクター(フルサイズの40ピン GPID コネクター)を使用して接続します。 

ピンアサインはこの様になっています。 
各ピンの役目について簡単に説明しておきます。 
・電源とGND: 
 5V power:5V   5Vは2箇所あります。 
 3V3 power:3.3V  3.3Vも2箇所あります。 

Ground:GND(電圧0V) GNDは8箇所ありますので必要に応じて使用して下さい。 
HAT基板を作成するときは、5Vや3.3Vを使用する時は全て使用した方が良いです、特にGNDは接続ポイントが多い程回路が安定します。 電気はGNDを基準(基礎)に動作しますので基礎はしっかりしている方が良いからです。(HATの要求事項を満足する上でも重要な事です) 

 ・デジタルI/F 
  GPIO2~GPIO27:デジタル用の入出力用I/Fで、I/F電圧は0~3.3Vです。 
  必要に応じてスイッチ(入力)やLED(出力)を接続し外部機器との制御を行うことが出来ます。 
  I/FはデジタルのみですがPWM注2を使ってアナログの出力を行うこともできます。残念ながらアナログの入力は有 
  りません。 一つのGPIOあたりの駆動電流は16mA(合計50mA)ですのでLEDを点灯や、小さなリレー程度なら直接 
  駆動する事が出来ます。 

 ・PWMピン(GPIO12,GPIO13,GPIO18,GPIO19) 
  ハードウエアPWMとして4つのPINがあります。 

注2)PWMとは、一定周期でHとLの周期(時間)を制御する方式です。出力そのものはデジタルですがコンデンサー等を接続しコンデンサーの充放電を利用してアナログに変換して簡易なアナログ出力として使う事が出来ます。 

・その他のI/F 
 I2C(Inter-Integrated Circuit)やUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、SPI
 (Serial Pheripheral Interface)などのI/Fも使う事が出来ます。これらの通信機能のI/Fを使って周辺機器やICとの 
 通信を実現することが出来ます。 

これらのI/Fを使用した場合はデジタルI/Fで説明した「GPIO」と重複するピンは使用出来なくなります。 
Raspberry Piにはアナログの入力端子を持っていいませんので、アナログの入力を使用したいときはこれらのアナログI/Fに対応した素子(IC)を使ってアナログーデジタル(A-D)変換を行う方法で行います。

3.HAT基板の製品例(弊社のオリジナル製品) 

弊社ではRaspberry Pi と同サイズのHAT基板の製品【ePI-09】を設計・ 開発を行い販売しています。

上の写真が【ePI-09】の単品の状態で、
下の写真で【ePI-09】がRaspberry Pi(一番下の基板) に3セット組み込んだ状態です。 

【ePI-09】は1セットで4軸のモーションコントローラですので左の写真の状態では最大12軸のモーションコントローラのセットになります。 

ここで簡単に【ePI-09】の仕様を説明させて頂きます。 
・インターフェイス:I2C  I2C-1全アドレス(0~127)占有 
・補間機能:直線補間円弧補間 
・パルス出力回路:差動ラインドライバー(AM26LV31相当)出力 
・パルス出力範囲:-2,147,483,646~+2,147,483,646 pulse 
・パルス出力速度範囲:1Hz~8MHz 
・加速度範囲:1Hz/sec~536,870,911Hz/sec 
・エンコーダ入力回路:A相/B相入力 
・汎用出力:4点/各軸(合計4軸で16点) 
・汎用入力:1点/各軸(合計4軸で4点) 
・オーバランリミット入力:各軸2点(+方向、-方向 各1点) 
・非常停止入力:1点(全軸共通) 
・使用環境:0~45℃ 20~85%RH 
・電源電圧:DC24V±10% 

パルス出力対応のモーションコントトーラです、少ない点数ですが汎用の入力・出力も備えていますので簡易のNCの
構築も可能です。 詳細につきましては、ホームページ【お問い合わせ】又は弊社営業までご連絡下さい。 

Raspberry Pi と同一サイズの4軸モーションコントローラは業界最小サイズです。 

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