フラッシュメモリ(FROM)について

1.フラッシュメモリとは 

フラッシュメモリ(英語では: Flash Memory)は、浮遊ゲートMOSFETと呼ばれる半導体素子を利用し、浮遊ゲートに電子を蓄えることによってデータ記録を行う不揮発性メモリのことです。 

わかりやすく言うと、フラッシュメモリとは電源を切っても保存内容が失われずに、データの記録や消去ができる小型の保存媒体のことです。フラッシュメモリは電源に常時つないでいなくても記録が消えることはないため、USBメモリやSDカードなど、持ち運びするデバイスなどに活用されています。 

東芝の舛岡富士雄氏が1987年に発明した技術だそうです。当時はまだスマートフォンもない時代であり、安価でコンパクト・大容量のメモリ市場はまだありませんでした。 

フラッシュメモリはデータを消去する際に、ビット単位ではなくブロック単位でまとめて消去する方式をとる事によって、構造が簡素化に出来、価格が低下したため、不揮発性半導体メモリが爆発的に普及するきっかけとなりました。消去を「ぱっと一括して」行う特徴から、写真のフラッシュをイメージしてフラッシュメモリと命名されたそうです。 

2.フラッシュメモリのタイプ 

・NAND型とNOR型 

主要な種別はNAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリの2種であります。それぞれの基本的な特徴は次の通りです。 

・NAND型 

ランダムアクセス読み出しの単位は1ブロック 

NOR型に比べて読み出しは低速 

NOR型に比べて書き込みは高速 

NOR型に比べて高集積化に有利 

・NOR型 

ランダムアクセス読み出しの単位はバイト 

NAND型に比べて読み出しは高速 

NAND型に比べて書き込みは低速 

NAND型に比べて高集積化に不利 

NAND型とはNot ANDの略で、日本語では主にナンドと呼ばれます。NAND型はアクセスがブロック単位で、データを順に読み込んでいくシーケンシャルアクセスに向いています。しかし、指定された箇所を直接読み込むランダムアクセスは低速なのが特徴です。 

回路が小規模で高集積化もしやすいので、単価が安く手に入りやすいといったメリットもあります。その為に、パソコンやスマートフォン・デジタルカメラなど持ち運ぶデバイスに広く利用されています。 

スマートフォンを中心とした携帯機器の広まりに続き、IoTや5Gといった技術も普及しつつあるため、今後、NAND型フラッシュメモリの需要はさらに増えると思われます。 

一方、NOR型は主にノアと呼ばれます、NAND型とは用途ごとに使い分けられています。NOR型は特定のデータ場所に直接アクセスするランダムアクセスに優れたフラッシュメモリです。 

NOR型は一般的なデータ保存媒体には用いられませんが、パソコンやルーターやプリンタなどの機器の制御プログラムを記録したり実行したりといった役割を果たします。 

順に読み込むシーケンシャルアクセスには向いていないため、基本的な書き込みや消去の速度は遅いといった側面もあります。また、高集積化もしにくいためNAND型と比較すると高額となります。 

3.フラッシュメモリの種類 

フラッシュメモリは、今では色々な形態で各種製品に使用されていますので紹介をしています。 

3-1 USBメモリ 
フラッシュメモリと聞くと、多くの方がまず思い浮かべるのがUSBメモリでしょう。USBメモリは、パソコンのUSBポートに差すことでデータを読み書きできる小型の記録媒体です。

データの転送中でなければ、パソコンの電源がついている状態でも抜き差しが可能で、このことを「ホットプラグ機能」*1と呼びます。 

サイズはライターほどで、ポケットに入れられるほど小さく軽いため持ち運びに適しています。特に複雑な設定もいらず、パソコンに差し込むだけで高速なデータのやりとりが行えるので、誰でも手軽に利用できる便利なデバイスです。 

ただ、内部に搭載されているフラッシュメモリには寿命があり、長く使いすぎるとデータが欠損してしまう恐れがあります。近年USBメモリの保存容量はかなり大きくなってきてはいますが、あくまでデータの持ち運びに用いるものであって、ハードディスクのように長期的に保存しておくものではないという認識を持っておいた方が安全でしょう。 

近年スマートフォンが爆発的に普及したことに伴い、microUSBやLightning端子のついたUSBメモリも開発されています。これを利用することで、パソコンと同じようにスマートフォンやタブレットでもUSBメモリでデータのやりとりを行うことが可能です。また、紛失や盗難などによる情報の漏洩に備え、パスワードを設定したりデータを暗号化したりできるセキュリティに強いUSBメモリもあります。 

*1「ホットプラグ機能」:ホットスワップとも言いますが、通常機器を接 

 続・切断(挿抜)する際は電源を一旦OFFにして行うものですが、通電時状態(電源ONの状態)で行える機能の事です。 

3-2 SDカード 
SDカードは非常に薄く小さなチップ状の記録装置です。その小さい事を利用し、主にスマートフォンやデジタルカメラ、携帯用のオーディオ機器やゲーム機などの記録媒体として用いられています。 

SDカードには幾つかの規格があります、小さい順からmicroSD、miniSD、SDと一般でも呼ばれています。カードの種類は用いる機器によって使い分けられています。 

例えばデジタルカメラにはSDカードが、スマートフォンにはmicroSDが多く使われています。 microSDはカードアダプターを使うことでSDカードのスロットに差し込むことが可能です。対応していないサイズのカードは当然用いることはできないため、購入の際にはどのSDカードが対応しているのか確認が必要です。 

また、SDカードは容量によっても種類が分けられます。通常のSDカードは2GByteまでですが、SDHCと呼ばれる規格は32GByteまで、SDXCと呼ばれる規格は2TByteまでの容量に対応しています。 

SDHCやSDXCは使う機器が古い場合は対応していないこともあるため使用される際は確認が必要です。SDカードを購入する際は、カードそのもののサイズだけでなく容量の規格にも対応しているか、利用する機器の仕様も確認しておきましょう。 

3-3 SSD 
SSDとはソリッド・ステート・ドライブの略で、フラッシュメモリを活用した大容量のストレージです。 
USBメモリやSDカードと違って、持ち運び用や携帯機器用のものではなく主にパソコンの記録装置として使われています。以前は、パソコン向けの大容量内蔵ストレージといえばHDDが主流でした。近年は使用できる容量が増えてきたことでフラッシュメモリを活用したSSDも普及しつつあります。 

SSDの最大の特徴*2は、その読み込みの高速性です。フラッシュメモリの読み込みの速さを生かすことで、OSをあっという間に起動させることができます。 

以前はSSDにはOS起動などのプログラムのみを読み込みをさせ、データ保存はHDDに行うといったように使い分けを行っていましたが、大容量のSSDが登場してきたことで、SSDをHDDのようにそのままストレージとして活用出来るようになり利用者も増えてきています。 容量の大きなSSDはHDDと比較してまだ高額であり、データの保存期間がHDDよりも短いといった意見もあります。 

*2 SSDの最大の特徴: 
HDDと違ってモータや駆動部品が無いので衝撃・振動に強い事も大きな特徴です。 
しかしHDDはCDプレイヤーのように高速回転するディスクに磁気ヘッドという部品を近づける(厳密には僅かに隙間がある状態で接触はしていません)ことでデータの読み書きを行います。 

そのために場合によっては駆動音が気になることもあります。そのために、その為壊れる直前には異音などの予兆が起こることが多くそこを普段から注意していれば、完全に故障してしまう前にデータを移行(バックアップ)を行う目安にもなるので、一概にHDDのデメリットとは言えません。 

モーションコントロール、ODM開発のご相談は東阪電子機器へ

大切にしているのは、お客様とのコミュニケーション。
22業界・1,700機種の開発実績を有する弊社の専門スタッフが、
お客様のお困りごとに直接対応させていただきます。