RAMとは

「RAM(ラム)」とは、英語の「Random Access Memory」(ランダム・アクセス・メモリ)の略語で、CPUが何かの処理を行うときに使われ、RAMのデータは通常頻繁に書き換えが行われており電源が切れるとその時作業に使用していたデータは消えます。

1.RAMの種類

1.RAMの種類(DRAMとSRAM)

半導体DRAMは、データを記憶するのにコンデンサ(キャパシタ)の電荷として蓄えているため、一定時間経つと自然放電する事でそのデータが消えてしまいます。その為に定期的に情報を読み出し、再度書き込みをする必要があります。この動作を「リフレッシュ」といい、記憶を保持するためには1秒間に数十回の頻度で繰り返しリフレッシュを行う必要があります。一般にそのようなメモリをダイナミックメモリといい、ダイナミックなRAMということでDRAMと呼ばれています。 DRAMは、アドレスを指定してからデータを読み出すまでの時間がSRAMよりも若干遅いですが、記憶部の回路構造が単純であるため、容量あたりのコストが低くできるという特徴があります。また、常にリフレッシュを行う為に、消費電力が多くなり。DRAMのアクセス方式によってさまざまな種類のものが市販されています。

半導体SRAMは、記憶部にフリップフロップを用いており、リフレッシュ動作を必要としません。また、DRAMより高速動作させることができますが、記憶部の回路が複雑になるため、容量あたりのコストが高くなります。リフレッシュ動作を必要としないため、リフレッシュ動作による電力の消費が無いという特徴があります。

半導体DRAMも半導体SRAMも揮発性メモリです。メモリには揮発性でないメモリとして、(*)不揮発性メモリがあります。

(*)不揮発性メモリ:

SRAMの様にデータの記憶に用いられる半導体メモリの分類の一つで、電源を供給しなくても記憶内容を維持する事ができるメモリのことです。

簡単にいくつかの不揮発性メモリを説明します。

①ROM:
初期のころに発明されたのもので、ROM(Tead Only Memory)で、内容が失われない代わりに一度記録(書き込んだ)した内容は書き換える事ができないものでした。そのために、コンピュータの出荷時に書き込まれるファームウェアの記録媒体や、家庭用ゲーム機器用のカートリッジ用などで使用されていました。

②フラッシュメモリ:
最近になり任意に書き換え可能なフラッシュメモリが登場してきました。DRAMなどの揮発性メモリに比べると書き換え速度や耐久性(消去・上書き回数の上限)などが劣るため、光学メディアや磁気メディアより高速なストレージ装置(SSDやUSBメモリなど)として普及している。

③EEPROM:
RAMなど他のメモリ装置に比べると書き換え回数に制限が有り、動作速度も遅いためにコンピュータのメインメモリやストレージなどとして大量のデータを頻度多く書き換える目的には向いていません。機器(コンピュータ)の電源をOFFにしても設定情報などを保持(保存)することを目的とした補助的な記憶装置などに使用することが多いです。

2.RAMの機能

RAMは一般的に揮発性メモリです。RAMに保存されたデータはコンピュータやそのシステムがシャットダウンまたは再起動すると、永久的に消去してしまいます。ですからRAMを増設しても写真やビデオのデータやアプリケーション等が多く保存できるようになるのではありません。同時に多くのデータやアプリケーションを開く(実行する)事ができるようになる事です。

ではなぜ一時保存と長期保存で異なる種類のメモリを使用するのかといいますと、RAMとHDDやSSD等で読み込み速度に圧倒的に差があるからです。(逆に言えば、動作速度が同じならば分ける必要がありません)

例えば、2022年現在、今後主流になっていくと思われる(*)DDR5メモリでは、転送速度が規格上38,400MB/sの物もあるそうです。早いといわれているSSDではNVMe-SSDは理論上5,000MB/sとなっていますので、比べてもお分かりの様に桁が1つ違う速度に差があります。このようにRAMは圧倒的に転送速度に差(早いです)があります。

RAMは非常に高速で動作するように設計されています。コンピュータのCPU(中央演算処理装置)はRAMに直接アクセスし、ナノ秒単位で瞬時に通信することができます。これは、高速で応答性の高いアプリケーションの利用やマルチタスク体験に直接つながります。つまりデバイスをストレスなく利用するためにも、高速で豊富なRAMが必要になるということです。

RAMはその名の通り、ランダムアクセスにも最適化されています。つまり、データを最初から最後まで、あるいは順番に読み込む必要がなく。CPUは必要なデータを必要なタイミングで直接取得(読み書き)することができます。例えば、複数のプログラムを切り替えて使用する場合、CPUがディスク(HDD)からデータを取得する必要がある時、ディスクはランダムアクセスではなくシーケンシャルアクセスに最適化されているため、RAMに比べてアクセスに長い時間を要します。

  • (*)DDR5

DDRについて

①DDR
DDRは、SDRAMの次の世代のテクノロジーとして2000年に発表されました。それ以前のシングルデータレートメモリに比べてより広い帯域幅と速度を実現しています。DDRはクロックシグナルの立ち上がりと立ち下がりの両方、つまり1サイクルに2回データを転送できるようになっています。クロック信号は、ダウンビートとアップビートの両方で構成されています。データ転送に両方のビートを使用するため、ダブルデータレートメモリは、データ転送にクロックシグナルの片方のエッジのみを使用するシングルデータレートメモリに比べ大幅に高速です。

DDRは、1クロックサイクルに2ビットのデータをメモリアレイから内部の入出力バッファに転送します。これは2ビットプレフェッチと呼ばれています。通常、DDRの転送速度は266MT/秒から400MT/秒の範囲です。

②DDR2
2003年に発表されたDDR2は、バス信号の向上により外部データをDDRの2倍の速度で処理することができるようになりました。DDR2は、DDRと同じ内部クロック速度で動作しますが、転送速度は、入出力バス信号の向上により高速化しています。DDR2のプリフェッチは4ビットで、DDRの2倍です。DDR2の転送速度は533MT/秒から800MT/秒に達します。

③DDR3
2007年、DDR3はDDR2に比較して約40%の消費電力の低減と2倍のプレフェッチデータ8ビットを実現しました。この消費電力低減によって、より低電流、低電圧での動作が可能になりました。DDRは約2.5V、DDR2は平均約1.8Vで動作しますが、DDR3では1.5Vまで低くなりました。また、DDR3の転送速度は800MT/秒から1600MT/秒の範囲です。

④DDR4
DDR4は最新世代(2014)のダブルデータレートランダムアクセスメモリです。動作電圧は最低の1.2Vとなり、前世代より高い転送速度を達成しています。DDR4では、バンクグループを導入することにより、望ましくない16ビットのプリフェッチを回避しています。バンクグループ構成では、各バンクが他のバンクから独立して8ビットのデータを処理することができます。これは、DDR4が複数のデータリクエストを1クロックサイクル内で処理できることを意味します。

DDR4の転送速度は現在も早くなり続けており、DDR4モジュールの速度は5100MT/秒に達するだけでなく、オーバークロック時にはさらに高速度の達成が可能です。Crucial Ballistix MAXモジュールは2020年にオーバークロックの世界記録を数多く達成しているそうです。

⑤DDR5
DDR5メモリ(2021)は、次世代マルチコアコンピューティングシステムを実現するために、チャネル効率の向上や電源管理の改善及びパフォーマンスの最適化に向けた画期的なアーキテクチャーを採用しているそうです。DDR5の起動時の速度は、DDR4の約2倍の帯域幅となっています。 また、テスト中だけでなく本稼働条件においてもチャネル効率を損なうことなく、高速でメモリのパフォーマンスをスケーリングできます。Crucial DDR5メモリは、発売時点で標準的なDDR4メモリの1.5倍の速度にあたる4800MT/秒で動作しているそうです。

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