コンデンサーとは

コンデンサー(英語表記: capacitor)は、電気(電荷)を蓄えたり、放出したりする電子部品の事です。蓄電器・キャパシタとも呼ばれています。

1.コンデンサーとは(概要)

コンデンサーは、抵抗器・インダクターと同様に基本的な電子部品です。ほとんどの電子・電気機器に使用されています。弊社の様に電子部品(機器)を扱っている方々にとっては当たり前の電子部品ですが電子・電気回路にとっては重要な部品の1つでコンデンサーは、一定の静電容量を持った受動部品です。 

コンデンサーの特性を表す基本的な数値は、静電容量(キャパシタンス)です。静電容量の値は、一般に国際単位系(SI)のファラド(記号: F)を用います。コンデンサーの機能はバッテリーと似ていますが、コンデンサーの静電容量はマイクロファラド(μF = 10-6F)やピコファラド(pF = 10−12F)のオーダーのものが多く、小さな量の電荷しか蓄えることしかできません。その代わりに応答速度が早いため、瞬間的な電流の変化(例えば、雷サージや回路の外来ノイズ・電圧変動等)に対する応答を制御する場合や、交流電流を変化させたい場合などに用いられます。ただし、電気二重層コンデンサーのように、従来のコンデンサーと比較すると桁違いに大きな静電容量をもつものもあります、これらのコンデンサーは二次電池として利用することも可能です。 

コンデンサーの特性としては印加できる電圧(耐圧)と容量が挙げられます。 

・耐圧:用途に応じ、微小電力機器用の2.5ボルト程度のものから、高電圧発生用などに使われる数10キロボルト程度のものなど様々あります。 

・容量:コンデンサーは、供給される電気(電荷)を蓄えたり放出したりしますその蓄えたり放出したりできる量の大きさをあらわします。 

・直流は通しませんが交流は通します:特に高周波側をよく通す性質を持っています。コンデンサーに直流を流した場合、電荷を蓄えられるだけ蓄えた後は電流が流れなくなります。交流電圧を印加した場合、電流の向きが変わるたびに電気(電荷)を蓄えたり放出したりを繰りますので、実質的に電流を流しているという事になります。 

回路設計においては、蓄えた電力を一気に放出することで大電流を発生させる放電回路、電圧の変動を吸収して安定させる平滑回路、直流と交流が合わさった電流の直流成分を遮断して交流成分(信号成分)を取り出すカップリング回路、逆に交流成分(ノイズ)を取り除くデカップリング回路などに使用されます。 

・静電容量について 

周囲と電気的に絶縁された導体に電圧を印加すると内部に電荷の偏りが生じる。この現象は静電誘導と呼ばれます。理想的な状況では重ね合わせの原理から印加する電圧と偏る電荷には比例関係があります。印加する電圧を V、偏る電荷を Q としたとき、この関係は 

Q=CV 

で表す事ができます。このときの比例係数 C を静電容量と呼びます。静電容量は導体の幾何学的な形状と導体の周囲の絶縁体により決まります。 

2.コンデンサーの使い方 

コンデンサーの代表的な使い方について説明していきます。 

2-1 放電回路 

放電回路はコンデンサーに蓄えた電荷を放電させることで接続されている負荷を動作させる回路です。大電流を瞬時に放電できることから、カメラのストロボや、緊急時のバックアップ電源として使用されます。回路例では、スイッチを電源側に接続するとコンデンサーは充電され、電源電圧にまで電荷が蓄積すると充電は止まります。スイッチを負荷(電球)側に接続するとコンデンサーは放電を開始し、電球は点灯します。 

2-2 平滑回路 

平滑回路は交流を整流した後の脈流を滑らかにし直流に変換する回路です。代表的な回路事例としましては電源回路で使用します。交流の入力電圧をダイオードブリッジで整流(回路例では全波整流)した電圧の波(リプル、脈流)を、コンデンサーよってより平滑(平坦)します。 

2-3 カップリング回路 

カップリング回路とは、直流成分は通さず交流成分のみを通過させる回路です。オーディオ信号の増幅回路等で、直流成分による影響を排除(DC成分のカット)したい場合に使用する回路です。 

2-4 デカップリング回路 

デカップリング回路は名称の通り、信号の結合を分離するためにコンデンサーを利用する回路です。この例では、基本の直流に周波数の高い交流成分(ノイズ)を含む信号経路に下図のようにコンデンサーを入れることで、周波数の高いノイズ成分だけがコンデンサーを通過して流れる事で分離され、それより後の回路にノイズが伝わらないようにしています。スイッチング電源でのスイッチングノイズを取り除く場合などに用いられます。 

3.コンデンサーの種類 

コンデンサーは大まかに分けると「有極性コンデンサー」と「無極性コンデンサー」に分類されます。コンデンサーには通常2つの端子(リード)があります。 

「有極性コンデンサー」はその2つの端子(リード)で片方がプラス側・その他方がマイナス側と決まっているコンデンサーの事です。 

電界コンデンサーなどが有極性コンデンサーとなります。 

有極性コンデンサーはプラス側とマイナス側を間違えて使用(接続)するとコンデンサーが破損しますので注意が必要です。 

「無極性コンデンサー」はそのプラス側・マイナス側がないコンデンサーで、セラミックコンデンサーなどが無極性コンデンサーになります。 

3-1 アルミ電解コンデンサー 

アルミ箔の表面に電気化学的に酸化アルミニウムの絶縁被膜を形成したコンデンサーです。比較的大容量のものを作ることができます。 

誘電体(アルミ酸化皮膜)とアルミ箔との間に紙(セパレート紙)を挟んでお互いに接触しないようにしながらロール状に巻き、液体の電解質に浸して封じた構造となっています。 

容量と耐圧の品種が豊富で安価です。形状が大きく、寿命が短いというマイナス面もあります。 

(*)寿命:105℃ 2000時間 の様に定格寿命が定義されています。 

この場合はコンデンサーの周囲温度が105℃で2000時間ですが、 

概ね周囲温度が10℃下がると2倍の4000時間、20℃下がると8000時間と使用する環境(温度)で寿命は変化します。寿命の詳細につきましては使用するメーカ様への確認をお勧めします。 

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