USBメモリが認識しないとき

データの持ち運びなどに便利なUSBメモリですが、いざ使う場面で使用できないとこまります。そのようなときどうすればよいでしょうか。

1.USBメモリが認識しない原因

USBメモリが認識しない原因にはいくつかの原因が考えられます。一般的な原因とその対策になりますが次の様になります。

1-1 物理的な要因(物理的な接触不良)

USBポート(PC側)やUSBメモリ自体が物理的に破損や接触不良。

1-2 ドライバーの問題

PCのドライバーが正しくインストールされていない。

1-3 ファイルシステムの問題

USBメモリ自体のファイルシステムが壊れている、または対応していない形式でフォーマットされている。

1-4 電力不足

USBポートから電力供給が出来ていない。

1-5 コンピュータの設定の問題

USBポートがBIOS/UEFT設定で無効設定になっている、またはオペレーティングシステムの設定で制限がされている。

1-6 互換性の問題

USBメモリが特定のオペレーティングやハードウェアと互換性がない。

1-7 ウイルスやマルウェア

ウイルスやマルウェアによってUSBメモリやコンピュータの設定が変更されている。

1-8 ハードウェアの故障 USBメモリ自体のハードウェアが故障している。

2.USBメモリが認識しないときの対策

2-1 物理的な要因(物理的な接触不良)

 ・しっかりと奥まで差し込んでいるか確認をする。

・PCの他のUSBポートに差し替えてみる。

 ・別のコンピュータに差し替えて動作確認を行ってみる。

 ・USBポートやUSBメモリの接点清掃を行う。

2-2 ドライバーの問題

・デバイスマネージャーから、USBドライバーの更新を行う

・必要に応じて、製造元のウエブサイトから最新のドライバーのダインロードを行いインストールする。

2-3 ファイルシステムの問題

・Windowsの「ディスクの管理」ツールやMacの「ディスクユーティリティ」でファイルシステムの確認と修復を試みる。

・必要に応じてUSBメモリの再フォーマットを行う(データが消失しますので、普段からデータのバックアップが必要です)

2-4 電力不足

・違うUSBポート(特に直接マザーボードと接続しているポート)に接続を替えてみる。

・他のデバイスを一時的に取り外して様子(電力を確保)をみる。

2-5 コンピュータの設定の問題

・BIOS/UEFI設定でUSBポートが有効になっているか確認を行う。

・オペレーティングシステムの設定でUSBデバイスが無効化(設定)になっていないか確認を行う。

2-6 互換性の問題

・USBメモリが使用するオペレーティングシステムやデバイスと互換性があるか確認を行う。

・必要に応じて互換性のあるドライバーやファームウェアのインストールを行う。

2-7 ウイルスやマルウェア

・最新のウイルス対策ソフトでコンピュータとUSBメモリのスキャンを実行する。

・必要に応じて感染を取り除く為の措置を行う。

2-8 ハードウェアの故障

・別のUSBメモリで試して問題がUSBメモリに起因するのかを確認する。

・ハードウェアの交換や修理の検討。

 通常USBメモリには修理作業というものはありません。

 修理=交換になります。

※以上のような内容を一つ一つ試すことで原因究明につながり問題が解決できることがあります。

(*)BIOS/UEFI:

 いずれもコンピュータの起動時にハードウェアとオペレーティングシステム(OS)の間で動作を行うファームウェアです。

 ・BIOS:古い規格でテキストベースのインターフェースで2TBytまでのパーティションサイズの制限です。

・UEFT:新しい規格でグラフィカルなインターフェースで2TByt以上のパーティションをサポートしています。 UEFTはBIOSの制限を克服し多機能で柔軟なファームウェア環境の提供を目的としています。

3.USBメモリの寿命

USBメモリは永久に使用できるわけではありません。そのデータの保存期間や書き換え回数には制限(寿命)があります。この回数を超えて使用し続けるとUSBメモリが認識しないやデータが読み書きできないなどの色々な不具合の発生の可能性があります。

3-1 USBメモリには寿命がある(意外かも)

USBメモリのデータ保存期間とデータの書き込み可能な回数には制限(寿命)があります。

一般的なUSBメモリのデータ保存期間は平均で3年と言われています。

USBメモリの中には10年程度の寿命がある製品もありますが、一般的に市販されている製品はデータを正常に保存できる期間は3年が目安です。

USBメモリの寿命は使用期間というよりは使用回数で決まります。一般的なUSBメモリにはNAND型フラッシュメモリ素子が内蔵されています。

簡単に動作を説明しますと。

・基板 絶縁体 浮遊ゲート からなっています。

・USBメモリに書き込むデータ(電子)は基板から絶縁体を突き抜け浮遊ゲートに格納されます。

・この時電子が突き抜けた絶縁体にはダメージが発生しこのダメージは電子が突き抜ける度(データを書き込む度)に累積します。

・絶縁体の劣化が進行しそれによって正常に機能しなくなった時がUSBメモリの寿命となります。

3-2 USBメモリの種類による寿命(書込み回数)の目安

・SLC(シングルレベルセル)型USBメモリ

・MLC(マルチレベルセル)型USBメモリ

・TLC(トリプルレベルセル)型USBメモリ

の3タイプがあります。

①SLC(シングルレベルセル)型USBメモリ

SLC(シングルレベルセル)型とは2つのメモリセルを用いてデータを記録する方式の事です。

このタイプのUSBメモリはデータの書き込みを行う際に内部を通過する電子の量が少ないため、他のタイプのUSBメモリに比べて寿命(書込み回数)が長いのが特徴となります。しかしこのタイプのUSBメモリは非常に高価となりますので、一般向けではありません。

②MLC(マルチレベルセル)型USBメモリ

MLC(マルチレベルセル)型とは4つのメモリセルを用いてデータを記憶方式の事です。

このタイプのUSBメモリはデータを記録際に内部を通過する電子の量が増えるためにSLC型USBメモリに比べ寿命(書込み回数)が短くなります。

MLC型USBメモリの寿命はSLC型USBメモリの10分の1程度ですが価格が安いためにこのタイプを採用しているメーカは少なくありません。

書込み可能な回数が1万回程度となりますが、一般的な使用には十分かと思われますのでビジネス用途でもライトな使用には良いでしょう。

③TLC(トリプルレベルセル)型USBメモリ

TLC(トリプルレベルセル)型とは8つのメモリセルを用いてデータを記録する方式の事をいいます。このタイプのUSBメモリはデータを記録する際に内部を通過する電子の量がさらに増加する為に、上記の2タイプに比べてUSBメモリの寿命はさらに短くなります。

TLC型USBメモリの可能な書き込み回数は約500~1000回程度となりますのでビジネス用途には向きませんが、個人で文章などのデータ保存やデータの受け渡しの用途に利用したりであれば問題なく利用可能でしょう。

3-3 USBメモリの寿命について

①寿命のチェック

次の症状がでていないか

 ・データが消失する

 ・保存したはずのデータにアクセスできない

 ・記録ができない

 ・データが破損する

②USBメモリを長持ちさせる方法

 ・USBメモリを接続したままにしない

 ・使用頻度を減らす

 ・正しい手順で取り外す:「ハードエアを安全に取り外す」を実行する  ・適切に保存する:振動、衝撃、湿気の無い(少ない)さらに使用しないときはキャップを被せる。

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