コントローラ(制御装置)はシステムや機器が正常に動作するように、指令や調整を行う機能を持つ装置です。制御装置は主に自動化や自律的な制御を行い人間が直接操作することなくシステム全体の管理・制御を行います。
1.特徴と機能
コントローラ(制御装置)はシステムや機器が正常に動作するように、指令や調整を行う機能を有する装置になります。コントローラ(制御装置)は主に自動化や自律的な制御を行いひと(オペレータ)が直接操作をすることなくシステム全体を管理・制御します。
1-1 特徴
コントローラ(制御装置)の主な特徴はシステムの効率的かつ安全な運用を自動で実現する能力にあります。
①自動化
コントローラ(制御装置)の最大の特徴は、自動でシステムの動作を管理で
きることになります。コントローラ(制御装置)はプログラムされたロジックや条件に基づいてプログラムに応じた動作(出力)を実行します。これによってひとの介入が不要な状態でシステムを効率よく動作させることが可能となります。
※例:温度制御装置では温度センサーの入力に対応してヒータや冷却装置を制御します。
②リアルタイム処理
コントローラ(制御装置)は、リアルタイムでデータを処理し瞬時(非常に短時間)に対応を実行します。センサーやその他の入力デバイスからの情報を受け取り即座に必要な処理を実行することが可能ですので、迅速で正確な操作が求められるシステムに適しています。
※例:産業用ロボットではセンサー情報に基づいて瞬時にアームの位置や動作を調整します。
③プログラムの可能性
多くのコントローラ(制御装置)はプログラム可能であり、ユーザが自らの必要に応じて制御ロジックや動作をカスタマイズが可能です。これによって多様なアプリケーションに柔軟に対応ができるようになります。
※例:コントローラ(PLC)は製造工程における特定の条件や手順に対応したプログラムを設定(プログラミング)できます。
④精密制御
コントローラ(制御装置)は非常に精密な制御を行う事が可能です。したがって特定の動作や条件を厳密に守りながら動作させることができシステムの精度や効率を向上させます。
⑤信頼性
コントローラ(制御装置)は高い信頼性が要求されるシステムでの使用が多く、過酷な環境や長時間の動作(使用)に耐えうる設計がされています。特に産業用のコントローラ(制御装置)では温度・湿度・振動などの厳しい条件でも安定して動作するように設計されています。
1-2 機能
コントローラ(制御装置)は特定のシステムやプロセスを適切に制御・管理するために多様な機能を有しています。
① フィードバック制御
コントローラ(制御装置)はセンサーなどから得られたフィードバック情報を基にシステムを制御します。例えばある設置値(目標値)に対して現在の状態(実測値)を比較して必要に応じて調整(コントロール)を行います。このようなプロセスをフィードバック制御といいます。この制御によってシステムが設定(プログラミング)された条件(プログラム)を維持します。
②PID制御(比例・積分・微分制御)
PID制御はフィードバック制御の一種で特に精密な調整が必要なシステムで使用されます。PID制御ではシステムの現在の状態と目標値の差を常に計算し適切な修正を行っています。これによって過剰な反応や遅延を防ぎながら目標に到達ささせます。
※例:モータの回転速度や位置制御におきましてPID制御を用いることでスムーズは動作が可能となります。
③シーケンス制御
シーケンス制御は事前に決められた一連の手順や動作に従ってシステムを動作させる機能です。シーケンス制御ではステップごとに動作を順番に実行していき次のステップに移行する条件が満たされるまでは待機状態になります。
※例:自動組み立てラインでは、各工程がシーケンスに従って実行されます次の工程に進む条件が整うまで待機します。
④安全制御
コントローラ(制御装置)にはシステムや機器の安全を確保するための保護機能が備わっていることが多いです。これは異常時にシステムを自動的に停止させる機能や、過負荷・過電流等の異常状態を検知して動作を制限する機能です。
※例:モータが過負荷状態になると過負荷を検出して自動でシステムを停止させる保護機能など。
⑤通信機能
近年のコントローラ(制御装置)では他のデバイスやシステムと通信する機能が備わっています。これによって複数の制御装置やセンサー・コンピュータシステム間でデータ通信(交換)を行い、システム全体の動作を連携させることができます。多くの場合イーサネットやシリアル通信・無線通信などが利用されています。
※例:コントローラ(PLC)が中央制御システム等(上位)と通信を行い、製造ライン全体を総合的な制御を行っています。
⑥冗長化機能
コントローラ(制御装置)は一層の高い信頼性を要求される場面では冗長化されることがよくあります。 冗長化とは同じ役割を持つコントローラ(制御装置)やコンポーネントを複数用意することで、一つが故障した場合でもシステムが停止しないようにする仕組みです。
※例:重要な制御システムではバックアップ用のコントローラを常にスタンバイ状態にしておりメインのシステムが故障した場合に自動的に切り替わるシステムにしています。
2.コントローラ(制御装置)の役割
2-1 システムの自動化
コントローラ(制御装置)の最も重要な役目はシステムの自動化の実現です。自動化によってシステムが人手を必要としないで、あらかじめ設定(プログラミング)された動作を正確に効率よく行う事が可能となります。
※例:製造ラインや電力供給システムなどの自動運転に不可欠です。
2-2 安定した動作の維持
コントローラ(制御装置)はシステムの動作を安定させ外部からの影響を受けても目標とする動作を維持できるように設計されています。これによってスステムの清野が常に最適な状態に保たれ誤動作やシステムダウンによるロスを最小限に抑えることができます。
2-3 効率向上とコスト削減
コントローラ(制御装置)によって自動化されると、人手による操作や監視が減少することで全体の効率が良くなり稼働率が向上します。さらに誤動作や無駄などうさを防ぐことで、エネルギーの効率化にもなり生産性の向上にも貢献しています。
2-4 安全性の確保
コントローラ(制御装置)はシステムやプロセスが安全に運転されるように監視を行い、異常が発生した場合には敏速に対応してくれます。このことにより作業者や機械の安全が確保されます。
※例:火災や爆発のリスクがある場合危険な化学工場などでは、制御装置が温度や圧力を常に監視を行い異常時にはプロセス(工程)を停止します。
2-5 柔軟なシステム対応
コントローラ(制御装置)はシステムの変化に対して柔軟に対応できる役目を持っています。新しい条件や環境に適応しプログラムを変更することで容易に新しい要求(仕様)に対応することが可能です。
※例:コントローラ(PLC)のプログラムを変更することで生産ラインの工程変更に対応することが容易に行えます。
2-6 データの収集と分析
コントローラ(制御装置)はシステムの状態やパフォーマンスをモニタリングし、必要なデータを収集する役割も担えます。このデータを基にさらなる最適化や改善を行う事が可能です。 ※例:生産ラインでの稼働状況やエネルギー消費量をリアルタイムで監視が可能となり効率改善に役立てることが出来ます。