瞬停と停電とは

電源や、通信などの信号が一瞬途切れる現象を瞬停と言います。

電源などが一定期間途切れる現状を停電と言います。

通信業界で通信回線の接続が短い時間切れてしまう現象のほか、動画・音声についても一瞬切れる事を瞬断・瞬停と指す事があります。

1.「しゅんてい」の種類

1-1 瞬停・瞬断とは

「瞬停」とはごく短時間、瞬間的に発生する停電のことを言います。どの位短時間の停電を指すのかはケースバイケースですが、電力会社では、概ね1分未満の停電を指すケースが多い様です。「瞬停」と同様の言葉として「瞬断」や「短時間停電」という言葉があります。「短時間停電」も日本産業規格(JIS)によると1分を超えない供給電圧の消失と定義されており、同じ意味の言葉として扱われるようです。

1-2 瞬低とは

よみはおなじ「しゅんてい」ですが、「瞬低」というものもあります。瞬低とは「瞬時電圧低下」のことで瞬間的に電圧が低下する現象の事で、電圧がゼロになる「瞬停」は違います。日本産業規格(JIS)では、「瞬低」のことを「電圧ディップ」と表現をしています。「電力供給システムのある地点において発生し、短時間で復帰する突然の電圧低下」と定義しています。

1-3 停電とは

瞬停が連続した状態になります。
電力会社では約1分以上の長い電力の停止状態が続いた場合「停電」と定義している様です。

2.瞬停、瞬低、停電の原因

瞬低、瞬停、停電の原因は色々な場合がありますが、一例をあげて説明致します。

2-1 瞬停、瞬低、停電のメカニズム 電力会社等の発電所で発電された電気は、鉄塔の送電電線を通って送電されています。この送電電線は通常は「2回線直列配電送電」が主流の方式だそうです。この方式は、鉄塔の右側と左側とで対称になる様に電力を送電しています。

これは、同じ電気を意図して2回線で送電する事によって、左右どちらかの送電線に自然災害などで送電トラブルが発生した場合でも残されたもう片方の送電線で送電を行えるからです。

この2回線うちどこか(例えば:右回線)1個所で落雷などの事故・故障が発生した場合、そこに故障電流が流れ電圧が一時的に低下します。この電圧低下は落雷があった場所(個所)だけでは無く、繋がっている電力線全てで電圧低下の影響が発生します。雷が落ちた瞬間に発生し、自動で回復することもありますが、回復しない場合、故障点(落雷個所)を遮断機で故障点を切り離すまで続きます。これが瞬低です。継続時間は故障(落雷)発生から遮断機動作・または自動回復までの間であるため、数十msから最小2s程度です。

その時、故障点を持つ回線(送電線の右回線)は、遮断機で全体から切り離された影響で、一時的に電力の供給が断たれた状態になっています。しかし、約1分後には、再送電が開始されるので、この再送電まで続く停電が「瞬停」となります。さらに、再送電がうまく行かない場合、原因が取り除かれるまで「停電」が続きます。電線が切れてしまうような場合では、停電状態になることが多いでしょう。

2-2 電力会社側が安定していても事業所内でも停電する場合

電力会社からの供給される送電が安定供給であっても、使用者側等の工場等電力を多く使用する事業者などで瞬低・瞬停が発生する事があります。例えば、大量の電力を消費する様な電気機器を運転した際、供給量の不足や事業所内の電源関係配線の容量不足等により、その同一系統で使用している他の機器への電圧供給が低下して、瞬停を引き起こす事があります。

さらに、電源ケーブルなどの接触不良により瞬停が起こることもあります。特に高圧受電契約を行っている事業者等では、電力を多量に利用する場合が多いので電力会社からの電力供給が安定的でもその事業所内で瞬停等が起こることがありますので、注意が必要です。

3.瞬停、瞬低、停電の影響・対策

3-1 影響について

①照明:

瞬低、瞬停ではちらつきが発生します。

停電では照明が消えます。

②コンピュータ(パソコン):

コンピュータの誤動作や障害の原因となります。瞬低・瞬停等電源供給の不安定によりデータ破損・システム障害など色々な障害の発生原因となります。

何故障害が発生するのかと言いますと、通電時にデータを記憶できるメモリ(揮発性メモリ)にデータを保管しているためです。停電はもとより瞬低・瞬停の短時間でも電源に障害が発生する事でデータが消失したり、ハードディスクなどの不揮発性の補助記憶装置でもデータの不整合が発生する事があり、オペレーションシステムを含めたデータやシステムの破損に至る事があります。また、未記録(作業中のデータ)のデータが消失または破損するなどで、リカバリ作業に長時間を要する事があります。

(*)揮発性メモリ:
電源を供給し続けないと、記憶している情報を維持し続ける事ができないメモリを言います。

③ネットワーク:
通信の瞬断では、例えば通信を行っている2点間のコネクションが切断され、通信を再開する場合は再度ハンドシェイク手順をやり直す事になります。自動でその手順(再度ハンドシェイク)を実行しないシステムの場合、瞬低・瞬停で通信が途切れたまま再接続が行われないためにデータ通信に影響が発生します。
特に金融機関のシステムなどはリアルタイム性が非常に重要な要素ですので、瞬低・瞬停であってもその間に重要なデータをやり取りしていた場合最終的な決済に大きな影響になる事があります。そのようなシステムの場合、あらかじめ定められたメンテナンス時間以外での瞬断は事実上許されません。

④産業機器:
半導体製造ラインなど複雑で精密な工程を行う製造ラインでは、微妙で繊細な制御状況の確認ができなくなり、製品の性能・品質保証に影響が発生し大量の不良品の発生が生じる可能性があります。

3-2 対策について
①電力の瞬停・瞬低の場合:
無停電電源装置(UPS)の使用、無停電電源装置(UPS)を電源と機器などの間に設置することで、瞬低・瞬停発生時に無停電電源装置(UPS)の電力に切り替わる事で瞬低・瞬停を防ぐことが出来ます。
また、無停電電源装置(UPS)のバッテリの容量によっては一定時間の停電においても電力が供給されますので。停電が長引く様であれば、その間にシステムを安全に停止させることで被害を最小限に抑える事が出来ます。

(*)UPS:無停電電源装置には幾つかの方式があります。

・常時商用給電方式UPS
通常時,商用電源(電力会社から受電している電力)が供給されている時,UPSは装置に電力を供給しながら,蓄電デバイス(内蔵のバッテリー)に充電をおこないます。商用電源側が停電した時は,商用電源を切り離した後,蓄電デバイスの直流電力をインバータで交流電力に変換し,電気機器に供給します。この切り替えをおこなう際に瞬断が起こります。

・常時インバータ給電方式UPS

常時インバータからの給電を行う方式です。
通常時はUPSの内部で商用電源の交流電力を直流に変換します。変換された直流電力は,一方は蓄電デバイスに充電し,もう一方はインバータで再び交流に変換して,電気機器に供給します。停電時もインバータを経由して電力を供給する方式なので給電時の切り替え時に電圧変動が起こらずに無瞬断で給電できます。常にインバータを経由するので,信頼性の高い給電方式となります。

②ネットワーク(通信)の場合
・自動で再接続(再送処理)を行う通信プロトコルを使用する様にする。通信経路で何らかの障害が発生した時は一定時間経過後通信相手から応答がない場合は自動で再接続やデータの再送信を行う様なプロトコルです。(インターネットでのTCP/IPが代表的です)

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