FPGAについて

1:FPGAとは

FPGAとは「Field Programmable Gate Array」の略語で、設計者が現場などで論理回路の構成を容易にプログラムでできるゲート(論理回路)を集積したデバイスです。製造後は回路構成を変更出来ないLSI(集積回路)(一般的にいうIC)とは違って、プログラムにより設計者が内部の回路構成を変更・修正することが出来ます。 

デジタルの世界では、論理は「AND」、「OR」、「NOT」という基本となる論理回路が存在します。そういった論理回路を用いて「動作(論理)を変更する」について説明するのが正しい説明となりますが、ここでは「+(足し算)」、「-(引き算)」、「×(掛け算)」で簡易に説明します。例えばAさんは、「9」という結果が欲しいので計算式は「1+2×4」で求めることにしたとします。次にBさんは、「7」という結果が欲しいので計算式は「1+2×4」を「2×4-1」に計算式を変更して求めることができました。この計算式を変更するように半導体内部の動作(論理)を変更できるのがFPGAです。 

※弊社も量産に向けた試作段階で制御回路の一部にFPGAを使用し開発途中で進捗に応じて論理回路を修正しながら開発を進め事が出来非常に効率よくすすめることが出来ます。 

2:FPGA仕組み・原理

FPGAの外観は一般的に図1の様に4面に足(リード) が出ている形状です。 
各ピン(I/Oピンと言います)、I/Oピンには用との 決まっているピン(電源・FPGAの制御用など)以外は ユーザが
任意に使用出来ます。 

まずはユーザが自由に入力(input)用か出力(output)用の設定ができる汎用 入出力(GPIO)から
入力・出力を割り振ります。 
※弊社での開発時は、この時実際の基板のアートワークの事も考慮してユーザ 

ピンの配置を可能な限り決めます。そうしないと基板上のパターン(布線)が必要以上に増え誤動作の要因になる事もあります。アートワークの実績もありますので単にFPGAの設計のみならず、設計する制御装置全体を考慮した設計開発を行う事が可能です。 

次にLB(Logic Block:論理回路の構成部分)に実現したロジックを構成しGPIO と配線(CB: Connection Block)
を行います。 この時配線によっては同じ論理回路であっても遅延時間が違ってきます。こ の遅延時間は場合によってはその製品(制御装置)の仕様に影響を与える場合がありますので注意して設計を行う必要があります。 

※弊社では長年の設計開発を行っておりこれらの経験は豊富にあり、この遅延を仕様上問題の無い様に開発・設計を行っています。 

3:FPGA種類

FPGAにはコンフィグレーションというものがありそのメモリの種類によって 分類されます。 
主に主流なタイプのFPGAは 
・SRAMベースFPGA 
・エンベデッドFlachタイプ SRAMベースFPGA 
・FlashタイプFPGA 

○SRAMベースFPGA 
 コンフィグレーションメモリがSRAMで、一番多く使用されているタイプで す。 
 SRAMは揮発性ですので装置の電源をOFFにするとデータは失われますので 電源ON時にFPGAとは別に用意した 
 不揮発性メモリのデータをFPGAのコンフィグレーションメモリにロードされます。 

○エンベデッドFlachタイプ SRAMベースFPGA  
 基本的な構造はSRAMベースFPGAと同じですが、コンフィグレーションデ ータを格納することが出来る不揮発性
 メモリ(Flashメモリ)を組み込んで同一(ワンチップ内)チップ内に存在しているFPGAです。 

○FlashタイプFPGA 
 簡単に説明すると、Flashタイプ(不揮発性)なのでコンフィグレーション が必要としないFPGAです。 

4:選び方

まずは先程の3つのタイプのFPGAの特徴について説明します。 

○SRAMベースFPGA 
 現在最も多く使用されているタイプです、製造工程で最先端のCMOS工程の プロセスが適用しやすく、
 容易に高集積度・高性能を入手することが可能で す。また、使用していユーザ数も多い為色々な場面からの情報入手 
 も可能です。性能やロジック数を抑えた、低コストターゲットな製品も用意されている様です。 

○エンベデッドFlachタイプ SRAMベースFPGA
 最大の特徴はワンチップで構成されている事です。 比較的小規模なサイズ(ロジック数)の製品が多い様です。 
 低消費電力や単電源での動作が可能です。 構造から、最新のプロセスの採用が難しく大規模なロジックを求める 
 事が 難しい様です。 

○FlashタイプFPGA 
 低消費、高信頼性、高速な起動時間このタイプのFPGAはコンフィグレーションメモリをロードする必要が無いので 
 電源を入れて即動作可能です。

 これらの特徴を踏まえ仕様(性能・コスト)に見合ったタイプのFPGAを選択します。 

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