パルス信号とは 

パルス(pulse)とは、英語では脈拍や鼓動などを意味する言葉です。電気設計などで使われているパルス信号(Pulse Signal)は、一連の短い時間間隔で発生する信号です。これは、一定の時間間隔で急激な増減を示す信号のことを指します。パルス信号はデジタル通信・電子工学・計測・コンピュータ科学など、さまざまな分野で使用されています。 

1.概要(パルスについて) 

電子回路の分野では一定の幅を持った矩形波のことをパルスといい、クロック信号や同期信号に使用されます。 

パルスの変化によって信号を変調する事をパルス変調と言います。パルス幅変調、パルス振幅変調、パルス符号変調などがあります。 

パルス信号の特徴として次の項の事が挙げられます。 

その前に少し余談ですが、今ではほとんど使用されていないかと思いますが、黒電話など回転ダイヤル式の電話機から電話交換機へ送出(送信)選択信号をダイヤルパルスと言います。これはダイヤルを回す事によって1~9・0のパルス(情報)を送信して相手の電話番号を電話交換機に伝える事によって相手先に接続している仕組みです。 

1-1 パルス幅(Pulse Width):  

パルス信号の時間的な幅を表します。これは、信号が”オン”(高い値)の状態である期間です。一般的に、単位は秒(s)で表されます。 

1-2 パルス周期(Pulse Period):  

パルス信号が繰り返される時間的な間隔を示します。これは、パルスの始まりから次のパルスの始まりまでの時間です。単位も秒(s)です。 

1-3 デューティ比(Duty Cycle):  

デューティ比は、パルス幅とパルス周期の比率を表します。具体的には、(パルス幅 / パルス周期) * 100で計算され、パーセンテージで表されます。デューティ比が50%の場合、信号は50%の時間”オン”状態と50%の時間”オフ”状態となります。 

1-4 パルス振幅変調(PWM:pulse width modulation):  

変調方法の一つであり、パルス波のデューティ比を変化させて変調すること。 

1-5 立ち上がり時間と立ち下がり時間(Rise Time and Fall Time):  

パルス信号が”オン”から”オフ”(または逆)に遷移する際の時間を示します。これは信号の変化がどれだけ急速に行われるかを表す指標です。 

パルス信号は、デジタルデータを伝送するための基本的な要素です。例えば、コンピュータネットワークや電話回線でデータを送信する際に、0と1のビット情報をパルス信号に変換して送信することが行われます。また、計測や制御システムにおいても、パルス信号を使用してデータや指令を伝達することが一般的です。 

2.パルス信号を使用する用途について 

パルス信号は様々な用途で使用されています、以下に代表的な使われ方について説明いたします。 

2-1デジタル通信: 

パルス信号は、情報をデジタル形式で伝送するために広く使用されます。これには、インターネット・電話通信・デジタルテレビ・衛星通信などが含まれます。デジタル通信では、1と0のビットを表すために電圧または光パルスを使用しています。これらのパルス信号は、ノイズの影響を受けにいので正確な情報の伝送が可能となります。 

2-2制御システム: 

パルス信号は、制御システムでの信号伝送にも広く使用されます。制御システムは、産業プロセス・自動車・ロボット・航空機・エレベーターなどさまざまなアプリケーションで使用されます。パルス信号を使用することで、デバイスやプロセスを正確に制御する事ができます。 

2-3計測およびセンシング: 

パルス信号は、計測およびセンシングアプリケーションで使用され、物理量を測定するための情報を提供します。例えば、超音波センサーやレーザーレンジファインダーは、パルス信号を使用して距離を測定します。また、医療機器や科学研究装置でも、パルス信号がデータ収集に使用されます。 

(*)センシング:検知器や感知器・測定器などを用いて測定対象物の定量的な情報を取得する技術の事です。英語では「感覚」や「感知」を意味する「sense」の現在形「sensing」に由来しているそうで、日本語では「感知機能」・「センサー機能」と訳されています。電流センサー・照度センサーなど、センシングデバイスを活用して得たさまざまな情報を定量化するのがセンシングの役割となっています。 

2-4パルス幅変調 (PWM) 制御: 

PWMは、デジタル制御システムでモーター速度制御・LEDの明るさ調整・電子回路の電力制御などの用途で使用されています。PWM信号は、デューティ比(パルスの高さと幅)を変更することで、出力デバイスの動作を制御します。 

2-5タイミングおよびクロック信号: 

パルス信号はタイミングやクロック信号として使用され、システム内のイベントやデータの同期の信号に使用されています。これは、マイクロプロセッサ・マイクロコントローラ・デジタルメモリ・通信プロトコルなどで一般的使用されています。 

3.パルス信号とPWMについて 

パルスの周期は一定で、「パルスON」と「パルスOFF」の時間を変化させて、「パルスON」と「パルスOFF」の時間比率を変調させる方法です。一般的に「パルス幅変調(PWM/Pulse Width Modulation)」と呼ばれます。 

パルスの幅(継続して送る時間)と間隔(オン・オフの間隔)により、流す電流や電圧を制御する方式によく用いられます。ある期間における「パルスがオンである時間」の比率を「デューティ比(デューティーサイクル)」といいます。この比率を変化させることにより最適な電圧を得ることが出来る様な制御をおこないます。オン・オフの周期を早めることでオンのパルス幅に比例した電圧を得ることができ高効率な制御ができ、優れた制御性を持つことが出来ることが特長です。 

・チョッパ制御:パルスの周波数は一定であり、パルスの幅だけを変化させることで平均電圧を可変させる方式です。パルス幅が狭い場合は平均電圧が下がり、パルス幅が広いときは平均電圧が上がる。例えば次のパルスまでを10等分したとして、ON:OFFを2:8とすれば元の電圧の2/10つまり 

1/5になり、8:2なら8/10=4/5の電圧が得られる。100%の電圧が必要なときは単にONのままにするが、チョッパ装置そのものも抵抗となるため、それを短絡して直接負荷に流すこともある様です。 

4.パルス信号とアナログ信号の違い 

デジタル信号が主流な世の中と思われていますが、アナログ信号も一般的に使用されています。それらの主な違いにつて説明いたします。 

4-1値の表現: 

・パルス信号: 

パルス信号は、デジタル信号ですので、2つの離散的な値をとります。通常0(Low)と1(High)の2つの値を使用します。  

例えば:0Vを「0」、5Vを「1」と表現することができます。 

・アナログ信号: 

アナログ信号は連続的な値をとります。例えば、音声信号や温度センサーの出力は、連続的な電圧や電流値を表現します。 

4-2シグナルの性質: 

・パルス信号: 

パルス信号は瞬時に変化する信号です。瞬間的に高い電圧1(High)または低い電圧0(Low)の状態になります。その切り替えが瞬時に行われます。 

・アナログ信号: 

アナログ信号は連続的に変化します。例えば、アナログ音声信号では、音の振幅や周波数が滑らかに変化します。 

4-3用途の違い: 

・パルス信号: 

パルス信号はデジタルデータ伝送やデジタル信号処理に使用されます。コンピュータネットワーク・デジタルオーディオ・デジタル制御などで一般的です。 

・アナログ信号: 

アナログ信号は音声・画像・温度などの連続的な情報を伝送および処理するのに適しています。例えば、アナログ音声信号はアナログラジオやアナログテレビで使用されます。 

4-3ノイズへの耐性: 

・パルス信号: 

パルス信号は離散的な値を持つため、ノイズに対して比較的耐性があります。デジタル信号処理技術により、ノイズの影響を補正できる場合があります。 

・アナログ信号: 

アナログ信号は連続的な値を持つため、ノイズに対して感受性が高いです。ノイズが信号に影響を及ぼす可能性があります。 

以上 

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