1.プロトコルの意味
英語では「protocol」外交上の儀礼、条約原案などの意味や、複数の者が対象となる事項を確実に実行するための手順について定めたものです。
手順という意味だけにとどまらず,複数間における、コミュニケーション言語、ルール、考え方、などをまとめて示す用語でもあります。
例えばネットワークの世界では「プロトコル」はコンピュータ同士が会話(通信)を行うための規格(決め事)の事を言います。
2.プロトコルの必要性
・Aさんは「日本語」でしゃべります。
・Bさんは「英語」でしゃべります。
・Aさんは「日本語」で聞きます。
・Bさんは「英語」で聞きます。
とすると AさんとBさんの会話は成立しません。
この場合でしたら、AさんとBさんの会話の取り決め(プロトコル)として
しゃべるのも聞くのも「日本語を使用します」の様に
事前に取り決めておけば大丈夫ですね。
パソコンやサーバーなど、複数のメーカが様々な機種・機器を開発し、その機種・機器ごとに通信プロトコルが違ったら大変な事になっていたでしょう。きっと現在の様な通信(インターネット)は無かったかもしれません。共通の取決め(プロトコル)を作ってそれを守っているから、違ったメーカ同士でもやり取り(通信)ができるようになっています。
3.通信のプロトコルの種類について
われわれの業界でプロトコルといえば、通信関係が主です。
3-1 RS232C通信について
最近では減りましたが【RC232C】の様な非同期シリアル通信では事前に通信プロトコルを決めておかないと通信が成り立ちません。
RC232Cで簡単に説明を致します。
・ボーレート:9600bps,192000bps,384000bps
通信速度の事です。bps はビットパーセックの略で9800bpsは1秒間に9800ビットの
データ量を通信します。数値が大きい程短時間に多くのデータ通信が出来ます。
・データ長:5~8bit
一つのデータ単位を5bi~8bitに選択します。
通常は7bitか8bitを選択刷ることが多い様です。アスキー文字のみなら7bitで可能ですが、日本語の様なカタカナ・漢字を使用するなら8bitになります。
・ストップビット:1bit,2bit,1.5bit
ストップビットは1バイトの通信が終了すると言った意味を持っており、スタートとストップビットの1バイト文字の区切りになるビットです。
スタートビットは1ビットで固定ですが、ストップビットは1bit,2 bit,1.5 bitから選びます。ストップビットは常にHIの状態でスタートビットがLOの状態です。ですからHIからLOになった瞬間が読みとるタイミングです。
③ FTP(Fil Transfer Protocol)
ネットワーク上のクライアントとサーバーの間でファイル転送を行うためのプロトコルで主に
・サーバーにアップされたファイルの一覧を見る
・ファイルをサーバーにアップロード、またダウンロードやバックアップを行う
・FTPサーバーに接続し、データの操作を行う
の用途で使用します。
④SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)
インターネットでメールを送信するためのプロトコルです。メールソフトからメールサーバーへ電子メールを送信するときに使用します。
⑤POP3 (Post Office Protocol version3)
インターネットでメールを受信するためのプロトコルです。メーラーでメールサーバーから電子メールを受信するときに使用します。
⑥IMAP (Internet Message Access Protocol)
インターネットでメールを受信して管理するためのプロトコルです。メールをサーバー上で保持し続けることができる仕様になっています。
複数のPCとタブレットなどでメールを共有する(会社用PC、外出用タブレットなど)場合には便利です。
⑦NTP (Network Time Protocol)
ネットワーク上にある全ての機器の時刻を同期させるためのプロトコル。通信時間による誤差を最小化する機能がある。
⑧DNS (Domain Name System)
DNSとは、インターネットなどのIPネットワーク上でドメイン名(ホスト名)とIPアドレスの対応関係を管理するシステムの事です。 利用者が単なる数字の番号列であるIPアドレスではなく、日常使っている言語の文字を組み合わせた認識しやすいドメイン名でネットワーク上の資源にアクセスできるようにしています。
コンピュータでは
14.152.xxx.yyy
のような数字の方がわかりやすいのですが、人間は
https://tohan-denshi.co.jp
HYPERLINK “https://www.bing.com/search?q=%E6%9D%B1%E9%98%AA%E9%9B%BB%E5%AD%90%E6%A9%9F%E5%99%A8%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE&aqs=edge.2.69i57j0j69i59j0l4j69i65j69i61j1001i1001i1101j69i11004.8901j0j1&FORM=ANAB01&PC=U531”の様に文字(通常はアルファベットや数字、最近は日本語にも対応してきている様です)の方がわかり良いですね。
https://tohan-denshi.co.jp
と入力すると
目的のホームページのIPアドレスである
14.152.xxx.yyy
と変換してくれる機能をもっています。
⑨:TCP (Transmission Control Protocol)
正確性や信頼性の高いデータの送信に用いられるプロトコルです。データの順序や内容を保証し、確実なデータ転送ができます。
⑩:UDP (User Datagram Protocol)
TCPと同じくデータの送信に用いられますが、正確性よりもより速さを重視したプロトコルです。動画や音楽のストリーミング、オンラインゲームなどで使用されます。
⑪IP (Internet Protocol)
ネットワーク上で各機器にIPアドレス(住所)を割り当て、それをもとに対象にデータを送り届けるためのプロトコルです。
⑫DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)
社内などでルーターにPCなどの機器を複数台接続しているかと思いますが、インターネットにアクセスするには、すべての端末にIPv4アドレス、 サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーという情報を入力する必要があります。
しかし、これは大変手間なので、DHCPというプロトコルを使い、DHCPサーバーに問い合わせをすることで、自動的にすべての端末に必要な設定情報を付与することができます。このDHCPサーバーは、基本的にはルーターのDHCP機能で行います。
⑬ICMP (Internet Control Message Protocol)
誤りの通知や通信状態について通知をすることで通信が可能な状態か確認するためのプロトコルです。
ICMPでは通信状態確認用の2つのメッセージがあります。
・Query
これは「問い合わせ」用のメッセージです。監視サーバーからこのメッセージを監視するノードに対して送信し、通信状態を確認します
・Error
監視サーバーから監視するノードにテストパケットを送付した際、経路の途中でパケットが破棄された場合に発せられるメッセージです。
・プロトコルのまとめ
パソコンでHPを閲覧する場合においては色々なプロトコルを使用して通信しています。
最初(第1層)はETHRNETプロトコルで LANケーブルでルーターと接続します。
次に(第2層)のIPプロトコルで、相手先のHPページサーバーを特定します。
そして(第3層)のTCPプロトコルで、データ通信のやり方を決定しその後、HTTPまたはHTTPSのプロトコルでパソコンの画面上にHPの情報が表示されます。
簡単に説明するとこんな感じです。
このどこかで不具合が発生すると、「ネットがつながらない」という事になるのです。