サーバーは、ネットワークを介して複数のクライアントやユーザーにサービスを提供するためのコンピューターシステムです。
1.サーバーの概要について
サーバーには高い性能と信頼性が求められます。多くの場合サーバーには冗長化が施され、ハードウェアの障害や停止に備えます。また、セキュリティも非常に重要な要素で様々な手法が使用されています。例えばファイアウォールやアクセス制御リスト・暗号化などがあります。
サーバーには、オンプレミスまたはクラウドのいずれかの携帯でホストを構築(提供)しています。クラウドサービスを利用することで、企業はスケーラビリティ・可用性・セキュリティなどの機能の提供を容易にうける事ができますので最近はこの「クラウド」が多くなっています。
(*)オンプレミス:必要なソフトウエアやハードウェアのシステムを自社内で管理を行う形態を表します。
(*)クラウド(サービス):雲・大群・集団などの意味を表す英単語です。全体像が不明確なもやもやとしたかたまり・集まりを比喩的に表現する事もありますが、IT分野では、通信ネットワークを用いてソフトウエアやファイルを利用者に提供することを言います。
(*)可用性:システムなどを使用できる状態を維持し続ける能力で、使用者側から見て必要なときに使用可能な状態が継続されている度合いを表現したものです。
「サーバーとクライアント」について説明しておきましょう。
ネットワーク上でデーターを供給している側(機器)をサーバー、データーを利用している側をクライアントと呼びます。私たちが普段パソコンなどでWebサイトを見たりメールを送ったりする際には、クライアントからの要求に対して、サーバーからデータファイル(画像ファイルやHTMLファイルなど)が送信されています。クライアントの要求に合わせて加工したファイルを送信したり、クライアントのデーターを保存したりすることがサーバーの主な役割となります。サーバーの役割をシンプルに言いますとネットワーク上で、サービスを提供するものとなります。
「データのアップロードとダウンロード」について説明します。
クライアントが提供元であるサーバーからファイルを受け取ることを「ダウンロード」といいます。ダウンロードの例としては、インターネット上で公開されている画像や動画を自分が使っているコンピューター上に取り込むことなどが挙げられます。その逆でクライアントがサーバーに情報を提供することを「アップロード」といいます。身近な例では動画投稿サイトに動画を投稿したり、SNSに写真を載せたりすることなどがこの事に当てはまります。
2.サーバーの種類について
2-1 メールサーバー
メールを送受信する際にはメールサーバーが使われています。送信用と受信用でサーバーが分かれています。
送信サーバーはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバーが使われます。
受信サーバーはPOP(Post Office Protocol)サーバーが使われています。
またはIMAP(Internet Message Access Protocol)サーバーも使用されています。
何れもメールサーバーからの承認を得ることで、メールソフトで送受信をすることができます。
*IMAPサーバーの特徴:POPサーバーはメールサーバーに転送されてきた電子メールをクライアントパソコンにダウンロードする仕組みになっています。設定にもよりますが、電子メールをダウンロードした後はサーバー上の電子メールは削除されます。一方、IMAPサーバーの場合では電子メールはメールサーバー上に保管されるという点が大きく異なります。ですからPOPサーバーでは使用しているパソコンでしか閲覧出来ませんが、IMAPサーバーでは会社のパソコンとスマホから同じメールを確認する事が出来ます。
2-2 データベースサーバー(ファイルサーバー)
ファイルを保存し、共有するためのサーバー。共有フォルダーにアクセスすることで、複数のユーザーが同じファイルにアクセスできます。
データベース(有機的に整理・蓄積されたデーター群)を搭載し、データベース管理システムが働いているサーバーをデータベースサーバーといいます。クライアントからの要求を受けて、データベース内で整理されている情報を検索し、処理結果を返します。
2-3 DNSサーバー
DNS(Domain Name System)サーバーとはIPアドレスとドメインを結びつけるためのサーバーです。IPアドレスとはWeb上の媒体の識別番号であり、その覚えにくい数字の羅列(例:192.168.1.150)に名前を付けたもの(例:https://www.ドメイン)がドメインと呼ばれるものです。個人を識別するための住所ともいえるIPアドレスをドメインに変換するDNSサーバーは、インターネットを利用する上で欠かせないものと言うことができます。
2-4 FTPサーバー
FTP(File Transfer Protocol)サーバーは「ファイル転送プロトコル」とも呼ばれ、Webサーバーにファイルを送受信するために用いられます。Webサーバーはアクセスがあった場合にファイルを送信するだけでしたが、FTPサーバーでは、クライアントがコンピューターからサーバーにデーターをアップロードしたり、サーバーからデーターをダウンロードしたりすることが可能になっています。Webサイト(ホームページ)作成の際にはWebサーバー上に新しいファイルをアップロードするためにFTPサーバーが用いられています。
2-5 SSHサーバー
SSH(Secure Shell)サーバーはクライアントの情報を暗号化するサーバーです。従来のリモート通信方法では個人情報の暗号化がなく、情報が漏洩してしまうことがありました。そこでパスワードや暗証番号などの個人情報等を送信する際に、SSHサーバーによって暗号化してから安全にリモート送信できるようになりました。
2-6 プリントサーバ
ネットワーク上に設置されたプリンターを多くのクライアントコンピューターから利用する際に使用する制御用のコンピューターです。プリントサーバは複数のクライアントから同時に印刷の要求があった場合でも、適切に処理しプリンターが順序よく印刷をこなすための管理を行っています。
3.サーバーの欠点と利点について
3-1 欠点について
①障害のリスク:サーバーが停止すると、複数のコンピューターが影響を受ける可能性があります。ですからサーバーを停止しないようにするためには、冗長性や災害対策を含めた適切なバックアップシステムを構築する必要があります。
②コスト:サーバーの設置や運用を行うには、多くの場合それなにのコストを要します。物理的にはハードウェアやソフトウェアライセンス、インフラストラクチャの構築などが多くの要因がコストに影響を与えます。
③専門的な知識が必要:サーバーの設置や管理には、専門的な知識が必要となります。サーバーの種類によって異なりますが、システム管理者やネットワークエンジニアが必要となる場合があります。
3-2 利点について
①リモートアクセス:サーバーはリモートからアクセスする事が可能な場合があります。その場合社内以外のどこからでもインターネット環境がある場所であれば、サーバーに接続してファイル等を共有できます。
②大規模なデーターストレージ:サーバーは大容量のデーターストレージが利用できます。複数のコンピューターからデーターを共有するため、大量のデーターを保存することができます。
③セキュリティ:サーバーはセキュリティの強化が出来ます。データーを共有するため、単一のサーバーでのセキュリティ対策が可能です。多くの場合、管理者は、アクセス権限の制御やファイルの暗号化など、データーを保護するためのセキュリティプロトコルを設定することで対応することが出来ます。