バックアップとは(英語表記:backup) 

バックアップとは、データや情報の損失や破損に備えるための重要な手段です。バックアップとは、予期せぬ出来事やハードウェアの故障・データの削除・サイバー攻撃・自然災害などによるデータの損失を防ぐために実施します。 

1.概要 

一般的にはパソコンやスマホ・サーバなど機器に保存されたデータを別のメディアなどにコピー(複製)を保存することを言います。 

データバックアップを実施していないと、システムの不具合・ウイルス感染・デバイスの故障・操作ミスなどで大切なデータが消えてしまう恐れがあります。しかし、定期的にバックアップを取ることで、万が一の場合でも直近のデータを復元する事ができます。大切なデータはバックアップを行い、不測の事態が発生しても復旧可能な状態にしておくことが重要です。 

定期的に実施する事と自動で実施する事も重要ですね。手動ではなく自動での実施であれば「忘れる」事が有りませんから。 

また「バックアップ回線」や「バックアップサーバ」のように、普段使用している機器等に何らかの不具合が発生し使用できなくなった場合にそれらの機能を肩代わりするための機器や設備・施設などシステム自体のバックアップも考慮しておく方が良いです。 

バックアップ機器は商用電源で稼働していますので、停電も考慮するべきです。短時間の停電時や停電時に機器を安全にシャットダウンする時間電力供給を維持できればよいのか。災害時など長時間(1日・1週間・1か月)電力供給を維持する必要があるのかで用意する装置(規模)も変わってきます。 

小規模のUPSを使用するだけでも、最も頻度の高い瞬停をカバーできれば機器への影響がかなり低減できますので有効なツールです。 

この点では、可能であればディスクトップパソコンをノートパソコンに置き換える選択肢はどうでしょうか。ノートパソコンであればそれ自体にバッテリーを持っていますので、瞬停や一定時間の停電には影響を受けません。(ネットワークはお使いの環境によっては、ネット接続は遮断されますがその時編集しているデータは保護されます。) 

(*)UPS:無停電電源装置(英語表記:Uninterruptible Power Supply) 停電などによって電力供給が断たれた場合にも電力を供給し続ける電源装置の事です。 

2.バックアップの種類 

2-1データバックアップ 

 データバックアップは、データのコピーを作成して将来のデータ損失や災害からデータを保護するための重要な手段です。さまざまな種類のデータバックアップがあります。一般的なバックアップの種類をいくつか説明しています。 

①フルバックアップ(Full Backup): フルバックアップは、対象となるデータのすべてをバックアップする方法です。これは最も包括的なバックアップ方法であり、すべてのデータが保存されます。ただし、毎回すべてのデータをバックアップするため、時間とストレージ容量が必要です。 

②差分バックアップ(Differential Backup): 差分バックアップは、前回のフルバックアップ以降に変更されたデータのみをバックアップする方法です。最初のフルバックアップの後に行われる各差分バックアップでは、変更されたデータのみが保存されます。これにより、バックアップの時間とストレージ容量を節約することができます。 

③増分バックアップ(Incremental Backup): 増分バックアップも、前回のフルバックアップ以降に変更されたデータのみをバックアップしますが、異なる方法で処理されます。増分バックアップでは、前回のバックアップ以降に変更が加えられた箇所のみがバックアップされます。つまり、最初のフルバックアップと各増分バックアップを組み合わせることで、最新のデータ状態を復元できます。 

④階層的バックアップ(Hierarchical Backup): 階層的バックアップは、複数のバックアップレベルを組み合わせる方法です。通常、最初にフルバックアップが行われ、その後は差分バックアップや増分バックアップが追加されます。これにより、効率的なバックアップと復元が可能となります。 

これらのバックアップの種類は一般的なものであり、実際のバックアップは組織やデータの重要性に応じて異なってきます。バックアップを行う際には、データの保護レベル・復元の容易さ・ストレージの使用量などを考慮して、最適なバックアップ方法を選択しましょう。 

2-2バックアップに使用する機器(装置)について 

バックアップに使用する機器は、オリジナルのデータが格納しているデバイス本体が壊れた際にデータを取り出せなくなる事態を防ぐ必要がありますので、使用しているデバイスと分ける事が望ましいです。ここではバックアップ作業に使用できる機器の一例をご紹介します。 

① HDD(ハードディスク):HDDは内部のディスクに磁気でデータを記録していきます。大容量のデータを保存可能で、容量当たりの価格も安いのがメリットです。ネットワーク接続型のHDDであるNASを使用すれば、複数台のパソコンのバックアップにも使用する事が出来ます。ただし機械部品が物理的に駆動してデータの読み書きを行うため、振動や衝撃に弱いです。持ち運びをする際には取り扱いに注意が必要です。一般的にはNAS等で一番よくつかわれているメディアです。 

②SSD(フラッシュメモリ):SSDを使用した記憶装置がSSDです。駆動部品がないため衝撃に強く、データの読み書きも高速ですが、容量あたりの価格はHDDよりも高くなります。またフラッシュメモリの性質上、長期間使用しなかった場合にデータが消失する恐れもあるため注意が必要です。 

③磁気テープ:LTOに代表される磁気テープは他の記録媒体に比べて故障が少なく、長期間のデータ保存に適しています。比較的安価ながら大容量のデータを保存可能で、保管中は電力を消費しない為、停電などの事態にも強いです。 

またハードディスクよりも信頼性も高いメディアと言われています。またテープの保管時は完全にオフラインになるので、ハッキングなどの心配なありません。しかしこの方式は磁気ヘッドとテープが直接接触するので、磁気ヘッドの定期的なメンテナンスが必要かつ保管場所の確保や保管に適切な管理(温度・湿度)が必要 というデメリットもあります。一見磁気テープというと古臭いイメージがあるかもしれませんが、バックアップの世界では結構現役で活躍しいるメディアです。 

(*)LTO: Linear Tape-Open(リニア テープ オープン、略称:LTO)は、コンピュータ用の磁気テープ技術の事です。 

④クラウドストレージ:Net(インターネット)上にデータを保存するクラウドストレージ(オンラインストレージ)も、バックアップ用途に適しています。インターネットに接続しているデバイスであれば、端末を問わずデータにアクセスできる点もメリットです。一番のメリットはバックアップデータの保管場所が違う場所にある事です。 

しかしオフライン環境では使用できず、データの読み書きの速度は回線状況に左右されるというデメリットがあります。 

2-3 バックアップの保管場所 

バクアップは機器(装置)の故障・データの削除・サイバー攻撃・自然災害などに備えて行うものです。同一のメディアに保管(実行)してもあまり意味がないですね。そのストレージが故障すればバックアップデータもオリジナルデータも同時にすべて消えてしまう可能性が非常に大きいです。 

また地震など自然災害に備えるのであれば、遠隔地に保存(格納)を行う事が重要です。その様な意味合いではクラウドストレージの活用は非常に有効な手段の一つです。 

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