振動試験とは 

振動試験は製品(電気機器や電気装置など)の耐久性や品質を評価するために実施します。 

1.振動試験の概略 

振動試験とは製品の性能や品質に対し、客観的に確認ができる方法が必要で、機械的な振動に関してその試験方法を行うものが「振動試験」と呼ばれる試験法で主な目的は次の通りです。 

①製品の信頼性評価: 

製品(機械、電子機器、自動車など)が実際の運用状況に耐えるかどうかを評価するために行われます。振動試験は、製品が過酷な環境条件で使用される場合に、耐久性や信頼性を確認するのに役立ちます。 

②製品の耐久性確認: 

振動試験は、製品が摩耗・疲労・振動によるダメージに耐える能力をテストするために使用されます。これにより、製品の寿命を予測し、改善点を特定するのに役立ちます。 

③輸送中の耐久性確認: 

製品が輸送中に振動や衝撃にさらされる場合、振動試験はその輸送中の耐久性を確認するのに役立ちます。製品が到着時に正常に機能することを確保することが目的です。 

④製品の品質管理: 

振動試験は製品の品質を確保するために使用され、製造プロセスの問題や不良部品を早期に検出するのに役立ちます。品質管理の一環として使用されることがあります。 

⑤製品の規格遵守: 

一部の業界や製品カテゴリでは、特定の規格や規制に従う必要があります。振動試験はこれらの規格や規制を満たすために実施されることがあります。 

2.振動試験の種類

振動試験の種類としまして代表的な【正弦波振動試験】【ランダム振動試験】【衝撃振動試験】について説明いたします。 

2-1 正弦波振動試験(英語表記:Sinusoidal Vibration Test) 

正弦波振動試験は、製品や材料の耐久性や信頼性を評価するための試験方法の一つです。この試験は、製品が振動にさらされる環境下での性能を確認するために行われます。 

正弦波振動試験の特徴としまして次の内容が挙げられます。 

①振動の周波数: 

正弦波振動試験では、試験機器を特定の周波数で振動させる試験と、ある周波数からある周波数まで徐々に周波数を変化させる試験(掃引試験)があります。 

固有振動数をもった構造物などでは、この掃引試験が有効です(例えばファンやモーター)。 

この掃引試験をすることでサンプル品の固有振動数(その製品の弱点)を把握することが出来ます。 

この周波数は一般的にHz(ヘルツ)で表されます。周波数は試験の目的に応じて異なり、振動環境を模倣するために選択します。 

②振幅の調整: 

振動の振幅(加速度、速度、または変位)は、試験の条件に合わせて調整できます。振幅は製品の設計仕様に基づいて選択され、特定の製品や材料がどの程度の振動に耐えることができるかを評価するために使用されます。 

③持続時間: 

試験の持続時間は、振動試験の種類や試験対象に応じて異なります。一般的には、特定の時間間隔で振動が続けられ、試験対象が振動にどれだけ耐えることができるかを確認します。 

正弦波振動試験は、基本的な振動試験のとなりますので製品開発や品質管理プロセスで重要な役割を果たし、製品の信頼性を向上させるために不可欠な試験方法の一つです。規格に従って実施されることで、製品がさまざまな振動環境で正常に機能することが確認されます。 

2-2 ランダム振動試験(英語表記:Random Vibration Test) 

ランダム振動試験は、製品や機器の信頼性や耐久性を評価するための試験方法の一つです。この試験は、製品が実際の運用環境で受けるであろうランダム振動に耐えられるかどうかを確認するために行われます。 

ランダム振動試験の特徴としまして次の内容が挙げられます。 

①ランダム性: 

ランダム振動試験は、振動信号がランダム性を持つことが特徴です。これは、実際の環境での振動がランダムであるため、製品をランダム振動にさらすことで、実際の運用条件に近い評価を行うことができます。 

②周波数帯域: 

ランダム振動試験は、一般的に広い周波数帯域をカバーします。これは、製品がさまざまな周波数の振動に耐えられるかどうかを確認するために重要なことです。 

③運用環境の模倣: 

製品がランダム振動試験に合格すると、実際の運用環境での信頼性が高まります。これは、航空機、自動車、電子機器、宇宙機器などのさまざまな産業で重要な事です。 

(*)現実に起こる振動はほとんどランダム振動と言えるそうです。 

2-3 衝撃振動試験(英語表記:Shock and vibration test) 

衝撃振動試験とは、その名の通り材料に衝撃を与え、壊れたときのエネルギーの大きさや壊れ方、亀裂の具合などを確認する試験です。ハンマーで叩いたり、おもりを落としたりして強度をチェックしていきます。 

衝撃試験を実施することで材料や製品の「靭性(じんせい)」と「脆性(ぜいせい)」がわかります。衝撃試験では、破壊されるまでに使ったエネルギーが大きいほど粘り強く、靭性があると評価されます。 

(*) 靭性(じんせい): 

簡単に言いますと粘り強さです。 

ダメージを受けてもすぐに破損せずにグニャッと変形していく性質で、たとえば銅や鉄、ステンレスなどの金属にはこの靱性があります。力を加えてもすぐにパキッと折れず、徐々に曲がってから破損(破断)していくので、加工がしやすい性質を持っています。実際に靭性のある金属は鍋などの調理器具や自動車のボディなど、複雑な形状の材料に使用されています。 

(*) 脆性(ぜいせい) 

先ほどの靭性と対語にあたり、文字通りもろさを表します。 

力を加えるとあまり変形せずに壊れてしまう性質です。限界を超えた力が加わると急にピシッと亀裂が入って崩れてしまうような性質で、代表的な材料はガラスです。限界を超えた力が加わると一気にパリンと壊れるので想像しやすいと思います。コンクリートや木材などでは圧縮強度はあるものの、靭性はあまりない材料と言えます。 

衝撃振動試験の特徴としまして次の内容が挙げられます。 

①耐久性評価: 

衝撃振動試験は、製品や機器の耐久性を評価するための重要な手法です。製品が輸送中や実際の使用状況で受けるであろう衝撃や振動にどれだけ耐えられるかを確認します。 

②設計評価(改善): 

製品の試作段階で衝撃振動試験を実施することは、設計の改善や問題の特定に役立ちます。設計の欠陥や弱点を早期に発見し、製品の信頼性を向上させるのに役立ちます。 

2-4 振動試験の規格について 

各振動動試験に関連する規格は多数存在します。以下の様な代表的な規格がありますが、製品の要求仕様に合った規格で実施します。 

①IEC 

IECとはInternational Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)の略で、電気・電子に関する国際規格を標準化する団体です。IEC規格とは、電気・電子に関する技術における標準化を目的とした国際規格で、固有の番号が振り分けられています。 

IEC規格が用いられるのは電気・電子に関する分野です。よって、適用される業界は幅広く、電子機器・電子部品の業界だけでなく、自動車、航空・宇宙、輸送・運搬、鉄道、産業機器など多岐にわたります。 

②ISO 

ISOとはInternational Organization for Standardization(国際標準化機構)の略で、ISO規格は電気・電子以外の分野に関する標準化を目的とした国際規格です。 

ISO規格には、製品に関するものとマネジメントに関するものの大きく分けて2種類があります。 

ISOの振動試験が行われるのは、自動車、航空・宇宙、鉄道、産業機器などの業界で多くみられます。 

③JIS 

JIS規格はJapanese Industrial Standards(日本産業規格)の略で、日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格です。日本の国家規格ですが、物やサービスの国際取引が盛んに行われている昨今では国際規格との整合性も図られています。 

振動試験の対象となる分野は幅広く、評価される対象物も多岐にわたります。土木及び建築分野では建物や建材の耐震性を、一般機械・電子機器及び電気機械・自動車・鉄道・船舶の分野では部品・製品の耐久性や運搬物の保全を評価するケースが多く見られます。 

④MIL 

MIL規格はMilitary Specification and Standardsの略でアメリカ国防総省が定めた規格で、アメリカ軍の調達資材に関して、過酷な環境下でも問題なく使用できる品質基準が定められています。 

武器だけでなく生活必需品や電化製品など、適用用途は多岐にわたります。振動試験の対象物となるのは、一般機械・電子機器及び電気機械・自動車の分野における部品・製品、物流分野の運搬物が多くなっています。 

⑤NAS 

NAS規格は国際航空宇宙規格(National Aerospace Standard)の略で、航空宇宙産業の業界で使用される規格です。航空・宇宙システムや部品類の使用決定、設計・保守のために用いられており、固有の番号が振り分けられています。 

現在、航空・宇宙業界において世界標準となっている規格はISO規格ですが、NAS規格もまだまだ多く使用されています。 

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