トランジスタとは 

(英語表記:transistor)とは、電子回路において、信号を増幅またはスイッチングすることができる半導体素子です。 

1.トランジスタの概要 

 1940年代末に実用化され、その後真空管に代わってエレクトロニクスの主役となり、論理回路を構成するための電子部品としては最も普及しております。集積回路(ICやLSI)の多くは微細なトランジスタの集合体で、その働きの基本となっているものがトランジスタです。 

集積回路(CPUやMPU)に内蔵されているトランジスタの数は増え続け、今では一つのチップに700億個以上のトランジスタで構成されている製品もあります。CPUやMPUは、それらの膨大な数のトランジスタが高速でスイッチングを行うことで動作しており、スマートフォンやパソコン、コンピュータネットワーク、テレビ、自動車などのあらゆる機器や装置の動作においてトランジスタが使用されています。 

トランジスタの語源は「TRANSFER = 伝達」と「RESISTOR = 抵抗」 を合わせた造語で、電気の流れをコントロールする意味から由来されていると言われています。 

トランジスタはバイポーラトランジスター(BJT)・電界効果型トランジスタ(FET)・絶縁ゲートトランジスタ(IGBT)があります。 

2.バイポーラトランジスター 

トランジスタは、P型半導体とN型半導体を、NPNまたはPNPの順で接合した素子からできています。ダイオードのN側またはP側にもう一つP型あるいはN型を接合したものです。 

トランジスタの回路記号は、図1のようになります。 

P型半導体とN型半導体の接合の仕方によって、NPN型とPNP型があります。 

 図1 トランジスタの回路記号(NPN型とPNP型) 

・NPN型トランジスタの原理 

図2はトランジスタの原理を簡単に表した図です。NPN型トランジスタを表しています。P型はP型半導体、N型はN型半導体を表しています。 

P型半導体には正電荷(+マーク)があり、N型半導体には負電荷(―マーク)があります。正電荷は正孔、負電荷は電子となります。 

図2 トランジスタの原理のイメージ 

図2の中央のP型は、非常に薄く出来ています。中央のP型部分の電極をベース、隣のN型部分の電極をエミッタ、もう一方をコレクタと呼びます。 

ダイオードと同様にP型とN型を接触させると、接合面で正電荷と負電荷の電気的中立を保つため、P型の正孔をN型の電子が埋めて稼働する電荷がない領域ができて安定します。この領域を空乏層と呼びます。 

図3は、図2のNPN型トランジスタのベースに+、エミッタに―の電圧を加えた図です。 

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