コードとケーブルの違いとは

コードのケーブル違いについてです。何れも電気を通す電線ですが、少し意味合いがちがいます。 

1.電線とは 

電線とは、その名の通り電気を伝送するための線状の電材のことです。 

導電体(電気伝導性のある銅やアルミニウム)を絶縁物(保護被膜)で被覆した(包んだ)絶縁電線が一般的ですが、電線を設置する箇所によっては線材が剥き出しになっているタイプも存在しています。 

絶縁物で被覆していない電線は一般的に裸電線と呼びますので、ただ単に電線と言っている場合は何らかの絶縁処理を施している電線だと思ってください。 

もちろん、裸電線を私たちが触ると感電します。一般的に裸電線は人の手に触れないところにしか設置しないルールになっているので、一般人が見かけることはまず無いのであまり気にする必要は無いと思います。 

すこし難しくなりますが、法令(法律)でどのように定義されているのかご紹介しいたします。 

(法律は難しいとおっしゃる方は読み飛ばして下さい。) 

法令では電気設備に関する技術基準を定める省令の第一条の用語の定義において、強電流電気を伝送する「電線」(第一条七項)と、弱電流電気を伝送する「弱電流電線」(第一条一二項)に大別されており、それぞれが電気導体のみの裸電線、電気導体を絶縁体で被覆した絶縁電線、および電気導体を絶縁物で被覆した上をさらに保護被覆で保護したケーブル、コードに分けられています。【*1】 

一方、有線電気通信設備令においては、強電流電気を伝送するものを「強電流電線」(第一条四項)としており、「電線」(第一条一項)という場合は、強電流電線に重畳されるものを除いた有線電気通信を行う導体とされています。【*2】 

【*1】:電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十二号) 

  1. 定義 

(用語の定義) 

第一条 

七 「電線」とは、強電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体をいう。 

十二 「弱電流電線」とは、弱電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体をいう。 

【*2】:有線電気通信設備令(昭和二十八年政令第百三十一号) 

内閣は、有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)第十一条第一項(第十九条において準用する場合を含む。)の規定に基き、この政令を制定する。 

(定義) 

第一条 

一 電線 有線電気通信(送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して、電磁的方式により信号を行うことを含む。)を行うための導体(絶縁物又は保護物で被覆されている場合は、これらの物を含む。)であって、強電流電線に重畳される通信回線に係るもの以外のもの。 

2.コードとは 

コードとは単に導体を絶縁物が被覆したものを指します。 

・屋内で使用する。 

・柔軟で折り曲げが可能。「可撓性(かとうせい)がある」とも言います。 

電線という大雑把な括りの中では上記2点の特徴を有するものをコードと呼んでいます。 

電線は家庭製品をコンセントに繋ぐ為に室内用の電線・電信柱の間に架けてある外的要因に強い室外用途の電線など、様々なところにあります。 

室外(屋外)用途の電線の場合、雨風などの環境変化に耐える保護機能をもっている必要があります。しかし、屋内用途に限定するのであれば、その保護機能を持たせるにはそれなりの費用が発生しまので、保護機能が無くても良い場所での使用であるならコスト削減の為に不要な保護機能を削除しても問題ないですね。その為に、屋内では保護機能は特に無い柔軟で折り曲げが可能な電線を使用しています。この電線がコートになります。 

ただし、折り曲げやすい代わりに耐久力は低いので、柱や壁などに這わせて固定してはいけませんし、目に見えない場所(天井裏や配管の中など)で使用するのも禁止されています。 

電子レンジや掃除機などの家電製品は、「電源“コード”をコンセントに繋ぐ」と言いますよね? 

これらの電線は「室内で使用する」・「固定しない」・「目に見える箇所で使用する」という条件を満たしているからコードと呼ばれています。 

〇コードを使用する上での注意点(ついついやりがちな事を纏めてみました) 

・濡れた手で触らない: 

濡れたままで家電製品やプラグに触ると感電の原因となります。 

・コードを引っ張らない: 

 コードを持って引っ張ってはいけません、コードの中の心線が切れたりプラグとの接続部分が切れたり外れたりして、通電しなくなったり・ショートなどの原因となります。必ずプラグ部分を持って抜く様にしましょう。 

・たこ足配線はしない、必ず定格容量をまもる: 

 テーブルタップは、使用できる電気の総量が決まっていますので、許容量をオーバして使用し続けると加熱(火災)の原因となります。 

・適切な長さのものを使用する: 

 コードを纏めてスッキリするのは良い事ですが、コードを丸めたり束ねたりして使用すると、コード(電線)が熱を持つことがあります。短いコードを使用するようにしましょう。 

・水のかかるところでは使用しない: 

 水がかかると焼損(火災)の原因となります。部屋の中に観葉植物などを置かれている場合は注意下さい。 

・コードを締め付けない様にする: 

 家具等の下敷きやドアなどで挟んだりしない様に注意してください。コードの中の線が切れて焼損(火災)の原因になります。 

・コードを固定しない: 

 ステップルや釘など金具でコードを固定しない様にして下さい。 

・プラグは定期的に清掃と点検をする: 

 プラグとコンセントの間に埃がたまると火災の原因になる事が有りますので。 

 定期的に点検とお掃除をしましょう。  

3.ケーブルとは

ケーブルとは、絶縁電線を複数束ねてシース(保護外被膜)を施したもののことです。 

シースとは、内部の電線を絶縁するほか、水・油・埃・外力などから保護するための保護膜のことです。 

つまり、外的要因からより強固に保護した電線のことをシースと呼びます。 

電線の一種がケーブルだとも言えます。 

コードと混同されていることが多いですが、ケーブルは外的要因に強い、つまり耐久力が高いです。その為、屋外で使用されている電線は何かしらのケーブルとなります。当然固定する事も可能です。 

一般的なケーブルの種類について 

〇屋内配線用 

 ・600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル 

  ・平型(VVF:VV Flat) 

  ・丸形(VVR:VV Round) 

600Vまでの低圧屋内配線用のケーブルです。単線または撚り線の銅線(心線)をポリ塩化ビニル(PVC)で包んで絶縁し、さらにその外側をポリ塩化ビニルのシース(外皮)で包んでいる。心線を一直線に配置した平形(Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable; VVF) と、放射状に配置した円形(Vinyl insulated Vinyl sheathed Round-type cable; VVR)があります。ビニル鎧装がいそうケーブル (vinyl armored cable; VA線)とも呼ばれる。ポリエチレン素材のものは平形がEM-EEF、円形がEM-EERである。 

シース内に収められる心線の本数は1本(単心、1C)から4本(4心、4C)までが規格上定められており、心線の太さも単線で直径1.0mmから3.2mm、撚り線で公称断面積2mm平方から1.00mm平方が規定されていますが、よく使われるものは直径1.6mmまたは2.0mmの単線で2心または3心のものです。 

電線管に収めることなく造営材(柱や梁など)にステップル留め、または天井裏への転がし配線で使用することができます。 

ただし、一部例外も存在します。(余談になりますが) 

電線は電気を通す線ですが、ケーブルはモノによっては電気以外の通り道になっていることがあります。 

その最たる例が光ファイバケーブルです。 

光ファイバーとは、繊維でできた光の伝送路のことです。名称から想像がつくかと思いますが、電気ではなくて光が通るケーブルの事です。 

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